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社会主義国家のベトナムも食い止めなかった「マイホーム購入」の夢

社会主義国家のベトナムも食い止めなかった「マイホーム購入」の夢

Posted July. 24, 2024 08:55,   

Updated July. 24, 2024 08:55

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先日、出張に行ってきたベトナムのハノイで、最も印象的なのは住宅価格だった。高級マンションとビラ、国際学校、大型業務地区が集中し、「ハノイの江南(カンナム)」と呼ばれる新興富村「スターレイクシティ」の住宅価格は、韓国のソウル外郭マンションの水準に劣らない。

あるマンションの20坪型台の現在の相場は5億ウォン半ば台で、2018年の分譲当時より80%上昇した。家賃も相当なものだった。20坪台の家賃は1800ドル(約249万ウォン)、30坪台は3000ドル(約415万ウォン)だった。2006年から大宇(テウ)建設が造成中の新都市であるスターレイクシティのマンションは、団地の外観はもとより、内部構造や仕上げ材まで、最近、韓国で建設したマンションとそっくりだった。

国際通貨基金(IMF)が試算した今年のベトナムの1人当たりの国内総生産(GDP)は4632ドルで、韓国(3万4653ドル)の7分の1の水準だ。不動産の税制と取引方式、法体系が異なる韓国と単純に比較することは難しいが、経済規模の格差を考えれば非常に高い住宅価格だ。

さらに、マンション団地のすぐ隣のビラはさらに高かった。マンションより敷地面積が広いビラを好むベトナム人の需要が集中した影響だ。2016年は150万ドル(約20億ウォン)で分譲したビラ1軒は、現在は400万ドル(約55億ウォン)前後で取引されている。さらに広くて立地の良い最高級ビラの呼び値は70億ウォンを上回っている。大宇建設の現地の関係者は、「来年の分譲予定物量を待っている人が多い」と耳打ちした。

ベトナムの土地は国家所有で、個人と企業は建物の所有権と土地使用権のみ持つことができる。ただ、ベトナムの国民なら、住宅に限っては永久的に土地を使うことができ、事実上住宅を所有することに他ならない。相続も可能だ。社会主義国家でも、マイホームに対する欲望追求の道は開いておいたのだ。

現地で会った韓国企業の関係者たちは最近、ハノイの住宅価格が大幅に上昇したのは供給不足のためだと口をそろえた。経済が急成長し都市人口が増えているが、住宅供給がこれに追いついていないという。

韓国の不動産市場も変わらない。15日基準でソウルのマンションの伝貰(チョンセ=住宅の賃貸保証金)保証金は61週間、売買価格は17週間連続で上昇している。特に多くの人々から好まれる「麻浦(マポ)・龍山(ヨンサン)・城東区(ソンドング)」と「江南3区(江南・瑞草(ソチョ)・松坡区(ソンパグ))」で急激に住宅価格が上がっている。

これも当分の間、ソウルのマンションの供給が不足しているという懸念が大きいためだ。また、過去の住宅価格の高騰期に買収時期を逃した需要者が本格的にマイホームを用意し、乗り換えに乗り出しているという分析も多い。前政権が高価住宅に対する融資を防ぎ、懲罰的な税金を課しながら抑えていた需要が一部蘇っている。

現政権は、「前政権の失敗を踏襲しない」とし、「規制を緩和して住宅供給を増やす」と述べた。しかし、まだ市場で体感できるような供給効果は出ていない。もちろん、工事費の高騰でソウルの主要整備事業が遅れている影響が大きい。だからといって、ソウルと距離のある第3期新都市と青年賃貸住宅までを加えた物量を根拠に、「供給は十分だ」と話す政府のメッセージに共感する人は多くない。十分な供給の前提条件は、需要のあるところでなければならないということを忘れてはならない。