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超連結社会の影、技術の進歩とともに基本を守らねば

超連結社会の影、技術の進歩とともに基本を守らねば

Posted July. 25, 2024 08:56,   

Updated July. 25, 2024 08:56

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「時ならぬ『死のブルースクリーン(Blue Screen Of Death)』が、Y2K(2000年)の恐怖を現実のものにした」(英フィナンシャルタイムズ)

1990年代までは慣れていた。突然コンピューターの画面が青くなり、操作不能になった。普通、電源を切って再起動すれば治ったのだが、もどかしい気持ちで本体をタンタンと叩いたこともあった。あの時期、2000年が到来すれば世界中のコンピューターが止まるという「ミレニアムバグ」は、メディアも重みをもって報じられた。これといったこともなく、一つ年を取っただけだったが。

19日(現地時間)の「グローバルIT(情報技術)大混乱」は、欧米社会ではY2Kが思い浮かぶほど衝撃が大きかった。米国のあるセキュリティ業者がアップデートを一度誤ったことが、世界各地のシステム障害を招いた光景は、超連結社会(hyper-connected society)がバラ色だけを抱いたわけではないことを悟らせた。何よりも病院や空港、カフェなどで起きた混乱は、私たちの日常があまりにも簡単に崩れる可能性があることを示した。今回の事態で、経済的損失だけで「10億ドル(約1兆3900億ウォン)以上だ」(米CNN)という。

ニュージーランドの田舎のスーパーのレジまで止めるほど波紋が大きかったが、あまり影響を受けなかったところもある。独自のサーバーや国内クラウドサービスを主に利用した韓国も、比較的被害が少なかったが、米国の大都市の公共交通網は特別な障害がなかった。ニューヨークメトロポリタン交通局(MTA)は、「一部の情報システムが中断されたが、地下鉄とバス運行は何の影響も受けなかった」と明らかにした。それが誇らしかったのか、MTAのジェノ・リバー社長は、「ニューヨークは全速力(full speed)で運行中」と話した。サンフランシスコやシカゴなどの公共交通機関も、正常に運営された。

理由は、他でもなく、時代に遅れた「老朽化」のためだった。予算不足で古い電算システムをそのまま使っていたため、今回の最新アップデートの対象にもならなかった。サンフランシスコ交通局は、「我々のシステムは、インターネットにもつながっていない」と述べた。

中国とロシアが特に被害を受けなかったのは、「デカップリング(脱同調化)の逆説」が働いた。米紙ウォールストリートジャーナルは、「米国が中国への半導体輸出の統制などを施行後、中国国務院が海外ソフトウェアを自国製品に交換するようにしたおかげだ」と伝えた。英BBCによると、ロシアも2022年のウクライナ戦争の勃発後、国際社会と断絶し、やむを得ず代替システムの開発に力を入れてきた。西側の制裁に遮られ、グローバルサービスから排除されたのがかえって有利にはたらいたのだ。

先月エコノミストは、「なぜ旅行ガイドブックは消えないのか」という記事を報じたことがある。インターネットの世界で淘汰されそうに見えた旅行書籍が、依然として多く売れる現象を指摘した。エコノミストは、「人々はインターネットが不可能な状況にも対処できる『確実性(authenticity)』を必要とする」とし、「信頼できる(trusty)道具は、いつの時代であれお金を支払う価値を持つ」と話した。

旅行ガイドブックの人気は、様々な示唆を与えている。技術の進歩は阻むこともできないし、阻んでもいけない。立ち遅れた設備や閉鎖的独裁国家が、一度運がよかったからといって、停滞や後退が正解であるはずもない。ただ、急いで食べるご飯は胃もたれするものだ。ゆっくり行っても、基本を捨ててはいけない。変数に備えずに大勢だけを追っていれば、「死のブルースクリーン」の次の番は私たちかもしれない。遅ればせながら、コンピューターを叩いてみたところで、手が痛いだけだ。