Go to contents

初の「放送通信委員0人体制」、公営放送の掌握を狙った与野党の合作

初の「放送通信委員0人体制」、公営放送の掌握を狙った与野党の合作

Posted July. 27, 2024 09:03,   

Updated July. 27, 2024 09:03

한국어

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が26日、李相仁(イ・サンイン)放送通信委員長職務代行兼副委員長の免職案を裁可した。最大野党「共に民主党」が野党に有利に構成されたMBC経営陣の交代を阻止するために職務代行弾劾案を奇襲発議したことを受け、先制的に辞任したのだ。これにより、長官級委員長を含む常任委員5人体制で運営される放送通信委(放通委)が、常任委員が一人もいないという異例の事態を迎えた。政府はすぐに後任の常任委員を任命し、李真淑(イ・ジンスク)委員長候補の人事聴聞会が終わり次第、再び2人体制にしてMBC理事の交代を進める計画だ。

放通委トップに対する弾劾騒動は、李東官(イ・ドングァン)、金洪一(キム・ホンイル)委員長に続き3度目だ。委員長職務代行の弾劾は憲政史上初めてのことだ。昨年8月、国会推薦分である常任委員3席が空席となったが、与野党が政治的攻防を繰り広げ、後任の任命が行われなかった。その後、大統領が指名した常任委員だけが残り、最小議決定足数である2人体制となって、1人でも欠ければ放通委の機能が停止する脆弱な状態になった。弾劾案の発議-辞任-再任の悪循環が続いているのだ。1年2ヵ月間、職務代行を含め、委員長が7回交代し、放通委は行き詰まった状態だ。

公営放送理事の交代時期が近づくにつれ、与野党の放送主導権争いも激しくなっている。野党が放通委の議決定足数を4人以上とする放通委法に続き、KBS、MBC、EBSの理事陣構成に関する「放送3法」改正案を順次強行処理しようとすると、与党「国民の力」は、「野党の公営放送永久掌握の試み」とし、史上2番目の最長記録となるフィリバスター(議事進行妨害)に入った。李真淑氏に対する人事聴聞会は、国務委員聴聞会史上初めて3日間行われたが、それだけ充実した人事検証が行われたかは疑問だ。野党の道徳性と政策能力の検証は、人身攻撃的な暴言に覆われ、与党は多くの議論にもかかわらず、李氏を庇うことに汲々とした。

政府は、国会の人事聴聞会報告書の採択とは関係なく、李真淑氏を任命する構えであり、野党は李氏が就任すれば、すぐに弾劾案を発議する計画だ。与党は、放送4法が可決されれば、大統領に拒否権行使を要請する方針だ。放送通信規制業務が麻痺しようがしまいが、誰が勝つか見届けようということか。小細工は小細工を呼ぶだけだ。与野党は常任委員候補を推薦し、政府は速やかに任命して、まずは奇形的な放通委の2人体制から正常化しなければならない。