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「平準化の元祖」ドイツ大学の革新、グローバル上位圏に躍り出る

「平準化の元祖」ドイツ大学の革新、グローバル上位圏に躍り出る

Posted July. 29, 2024 09:08,   

Updated July. 29, 2024 09:08

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最近、米国の時事雑誌「USニュース&ワールド・レポート」が選定した今年の大学評価で、ドイツの大学の躍進が際立っている。フンボルト大学(48位)とミュンヘン大学(53位)、ハイデルベルク大学(55位)、ベルリン自由大学(66位)、ミュンヘン工科大学(82位)の5大学が世界100位以内に入った。英国の大学評価機関である「THE(Times Higher Education)」のグローバル大学評価では、なんと8大学が含まれた。

ドイツにはいわゆる名門大学は存在しない。高校卒業生は「アビトゥール(大学入学資格試験)」に合格すれば、自由に専攻を選んで進学することができる。学科ごとに定員が制限されることもあるが、原則的に欠員が発生すれば、全国のどの大学にも自由に転校することができる。ベルリン自由大学で1学期を終えた後、欠員が生じたミュンヘン大学に移ることができるということだ。

長い間、平準化政策を堅持してきたドイツの大学は、グローバル大学ランキングで常に後れを取っていた。評価機関によって差はあるが、せいぜい1~2大学が100位以内に入る程度だった。ドイツの大学は、高校上位の学生を厳選してエリートに育てるアイビーリーグやオックスブリッジとは異なり、一般高校の卒業生を一定レベル以上に教育することに重きを置いている。教授1人当たりの学生数も米国や英国の名門大学と比べると多い方だ。一方、大学進学率は2000年の33%から21年には55%に増加した。社会人選抜も大幅に増えた。自動車整備士として働き、後に機械工学科に進学する人が増えたということだ。成績だけで見れば、中位圏以下の進学が大幅に増加したことになる。

にもかかわらず、最近の結果はかなり鼓舞的だ。ドイツの大学はほとんどが国公立で無償教育であるため、教育の質と国際競争力が大幅に劣っているという指摘が多かった。数十年前からこのような指摘が続いたが、平準化の原則は破られなかった。大学の競争力は、国家の競争力につながるしかない。ようやくドイツ政府は05年から優れた成果を出す5~10の大学を選定して支援する「エクセレンス・イニシアティブ」を推進した。第1期(06~12年)と第2期(12~19年)の事業に46億ユーロ(約7兆ウォン)の予算が投入され、現在第3期(19年~)の事業が進行中だ。

ベルリン工科大学、ミュンヘン工科大学など9つの名門工科大学は連合体「TU9」を作り、別途管理した。学部課程がなく、入学すると修士以上の学位を取得しなければならなかった教育システムも改編し、米国や英国の大学のように学士号課程を新設した。入学定員制を強化し、成績順に学生を選抜する大学も大幅に増えた。優秀な外国人学生を誘致するために、英語のみで行われる専攻も増やした。その結果、シュピーゲルなどドイツの有力メディアから「欧州大陸の大学は大学ランキングが下がり続けており、状況を改善する方法が見当たらない」と批判していた声が消えた。

大学ランキングが高等教育のすべての成果を代表するわけではない。ただ、大学も絶えず変化し、競争力を強化しなければ生き残れないことは明らかだ。数百年の伝統を破り、変化の動きを見せるドイツの大学の事例を参考にすべき理由だ。大学の人材育成は産業の根幹である。韓国でも名門大学と地方大学を問わず、再跳躍の事例が生まれることを期待する。