
全国のほとんどの地域に猛暑特報が出されている中、昼夜を問わず猛暑が猛威を振るっており、市民の間では「熱帯夜のために寝そびれ、サウナの中に出勤する気分だ」という言葉まで出ている。
29日、気象庁によると、江原道束草市(カンウォンド・ソクチョシ)と江陵市(カンヌンシ)では、午前の最低気温がそれぞれ30.6度と30.4度を記録した。前日午後6時から翌日午前9時まで、最低気温が30度以下に下がらない「超熱帯夜」現象が現れたのだ。束草で超熱帯夜の現象が現れたのは初めてだ。
夜の間、最低気温が25度以下に下がらない熱帯夜は、前日の夜、韓国各地で現れた。今月28日まで熱帯夜は計7.1日間発生した。平年(1991~2020年平均)の7月末までの熱帯夜が2.7日という点を勘案すれば、3倍に迫ることになる。
最も暑い夏と記録された2018年7月末まで熱帯夜は7.1日間発生したが、今年は、7月が3日残っているだけに、2018年の記録を超えるものと予想される。やはり記録的な暑さだった1994年7月までの熱帯夜記録(8.5日)も破る可能性がある。
今年、熱帯夜が特に猛威を振るう理由は、北太平洋高気圧の縁に沿って高温多湿な南風が流入しているためだ。また、熱帯夜は、猛暑の「先行指標」とも解釈できる。夜に熱くなった地面に再び日差しが照りつけ、気温がさらに上がるためだ。気象庁の関係者は、「熱帯夜が現れると、翌日とその翌日にもう少し気温が上がる傾向がある」と説明した。
実際、熱帯夜が現れた翌日の29日午前10時、全国183地域のうち177地域(97%)で猛暑特報が出された。猛暑警報が発令された地域は106ヵ所で、猛暑注意報(71ヵ所)の地域より多かった。最高体感温度が2日以上35度以上であると予想される時は猛暑警報が、33度以上と予想される時は猛暑注意報が出される。
体感温度が35度を超える蒸し暑さは、当分続くものと予想される。30日まで首都圏と江原地域を中心に時々雨が降ると予想されるが、暑さを冷やすほどではないと予報された。30日と31日も、日中の最高気温は平年を上回る29~36度に達すると予想される。
朴晟鎭 psjin@donga.com