
米民主党の大統領候補が確実視されているハリス副大統領の上昇が止まらない中、共和党大統領候補のトランプ前大統領を狙った「トランプ氏は変人(Trump is Weird)」というハッシュタグ(#)をつけた投稿がソーシャルメディアで急速に広がっている。民主党支持層が、高齢論議に悩まされたバイデン大統領が大統領選を辞退した後、78歳のトランプ氏が失言したり、支離滅裂な発言をしたりした映像を集中的に拡散させ、反撃している。
28日、X(旧ツイッター)のハッシュタグランキングによると、「トランプ氏は変人だ」は同日、米国で11番目に多く使われたハッシュタグだった。このハッシュタグは、トランプ氏が大統領に当選した2016年の大統領選挙で初めて使用された。しかし、ハリス氏のランニングメイト候補として挙げられているミネソタ州のティム・ウォルズ知事が24日、MSNBC放送でトランプ氏とJ・D・バンス副大統領候補を「変な人たち」と非難し、再び注目を集めている。ハリス氏も翌日の後援者イベントで、「トランプ氏は私の経歴について嘘をついている」とし、「トランプ氏と彼のランニングメイトは変人だ」と述べた。
民主党支持層は「トランプ氏は変人」というハッシュタグとともに、トランプ氏の過去の理解し難い発言の映像を拡散させている。代表的な事例は、トランプ氏の24日のノースカロライナ州シャーロットでの選挙集会だ。トランプ氏は、「映画『羊たちの沈黙』は実在する」とし、「ハンニバル・レクターは愛すべき人だ。彼と夕食を共にしたい」と語った。不法移民を人食い犯罪者であるレクターに例えようとしたようだが、辻褄の合わない発言だと指摘された。
トランプ氏は21日の選挙集会でも、「バイデン政権のために米国が沈んでいる」とし、「沈むボートから飛び降りてサメに食われるより感電死を選ぶ」と理解しがたい発言をした。ウォルズ氏は28日、米CNNで、「トランプ氏はレクターやサメ、感電死など、頭に浮かぶ狂った考えを平気で口にする」とし、「それはただの変人の行動だ」と述べた。
民主党がこのような集中攻勢に出たのは、バイデン氏が大統領選から撤退した影響が大きいとみられる。頻繁な失言で認知機能の低下がささやかれたバイデン氏が大統領選を辞退したことで、同じく高齢のトランプ氏の失言や不適切な発言に対する集中攻撃が可能になったということだ。
トランプ氏が、子どものいない女性に対する蔑視、黒人女性に対する差別発言などで物議を醸したバンス氏を副大統領候補に指名したため、民主党の攻勢がより強くなったという指摘も出ている。米上院民主党トップのチャック・シューマー院内総務は28日、米CBSで、「バンス氏はトランプ氏よりもっと変人で、極端で気まぐれだ」とし、「トランプ氏がバンス氏を指名したのは民主党としては最高の選択だ」と強調した。
一方、ABCニュースが同日発表した世論調査によると、ハリス氏の好感度は43%で1週間前(35%)より8ポイント上昇した。非好感度は46%から42%に減少した。一方、トランプ氏の好感度は36%で、同期間4ポイント下落した。ハリス氏の大統領選挙陣営は、「大統領選出馬宣言後、1週間で2億ドル(約2763億ウォン)の後援金を集め、新たに後援に参加した支持者は約17万人に達する」と明らかにした。
ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 イ・チョンア記者 weappon@donga.com