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UAE王立病院の委託運営10年、「中東のソウル大学病院」を増やすべきだ

UAE王立病院の委託運営10年、「中東のソウル大学病院」を増やすべきだ

Posted August. 05, 2024 09:02,   

Updated August. 05, 2024 09:02

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アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ都心から北東へ約70キロ。荒涼とした砂漠の真ん中に、ソウル大学病院が10年間委託運営している王立シェイク・カリファ専門病院がある。248病床規模で、全体医療スタッフ800人のうち、韓国人だけで100人を超える。ソウル大学病院は2014年、米国のスタンフォード・ジョンズホプキンス、英国のキングスカレッジ、ドイツのシャリテなどグローバル病院と競って契約を獲得した。韓国国内病院が海外の総合病院級医療機関の委託運営権を獲得した初めての事例だ。最初の5年間は1兆ウォンの運営予算が策定され、年間70億~80億ウォンの委託運営手数料も別途受け取った。運営から2年間で外来患者が5万人を超えた。2019年に再契約に成功し、今月中旬に2回目の再契約を目前にしている。

それなら、今後もすべてのことが順調に進むだろうか。ひとまず、今回の再契約から難関にぶつかっている。この病院は王室傘下だが、他の王室傘下機関が委託運営を引き受けると乗り出し、突然競争構図が形成された。また、王室側が病院に運営費削減を強く要求し、病院の収益性も低くならざるを得ない状況になっている。心臓や脳神経、癌に集中し、他の診療科目を構造調整しろという要求もあった。専門病院といっても、一定部分の総合病院の機能を維持しなければならないが、需要の多い整形外科や眼科をなくすように指示すると、全体患者が減り、収益も影響を受けるしかない。運営初期と比べると、韓国人医療陣も大幅に減っており、診療費削減や医療紛争など大小の不協和音もある。このような理由から、ソウル大学病院の内部からは「やめよう」という意見も少なくなかったという。

しかし、昨年、サウジアラビア、カタールなどの湾岸協力会議(GCC)6ヵ国のヘルスケア市場は679億ドル(約92兆ウォン)に達した。中東の各富裕国は、メイヨー・クリニックやジョンズ・ホプキンス、クリーブランド、ハーバードなど先進国有数の病院と医学部を誘致し、地元の医療水準を高め、医療観光客を集めている。UAEだけでも、2022年に医療観光客67万4000人を誘致し、10億ディルハム(AED・約3700億ウォン)を稼いだ。現地に進出したグローバル医学部と病院は、臨床研究や教育、診療の各分野で成果を出している。あきらめるにはあまりにも惜しい市場だ。

病院輸出のために、解決しなければならない課題は依然として多い。韓国医療に対する地元住民の認識は大きく変わってはいるが、同じ条件なら、依然として米国と欧州病院を好んでいる。外国人患者と簡単に英語でコミュニケーションしながら診療できる医師や看護師も不足しているのが現状だ。海外進出の事例が多くないため、国別・状況別のノウハウの蓄積も必要だ。相互医療陣の免許認定や医療事故問題など、現実的課題も多い。

今年6月、カタールのドーハには、10階建ての「韓国医療センター」がオープンした。ソウル峨山(アサン)病院、ライムナム歯科、JK整形外科、アンガン病院などが、不妊やインプラント、美容整形、リハビリなどの医療サービスを提供する。ソウル峨山病院は2026年の開院を目標に、ドバイに65病床規模の「UAE峨山消火器病院」も推進している。盆唐(プンダン)ソウル大学病院は先月、300病床規模のウズベキスタン・タシュケント総合病院プロジェクトで事業総括を務めた。医療の海外進出は経済的な面でも得だが、国格を高め、両国の協力に貢献する外交的役割も果たす。第2、第3の王立シェイク・カリファ専門病院が今後、さらに多く出ることを期待する。