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バッテリー火災の「熱暴走」、韓国研究チームが原因を解明

バッテリー火災の「熱暴走」、韓国研究チームが原因を解明

Posted August. 06, 2024 09:13,   

Updated August. 06, 2024 09:13

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最近、電気自動車のバッテリーの爆発事故でバッテリーの安全性問題が浮上している中、韓国の研究チームが、数秒で1000度以上に温度が跳ね上がる「熱暴走」現象の原因を明らかにした。

ソウル大学は5日、化学部のイム・ジョンウ教授やポステック化学工学部のキム・ウォンベ教授、三星(サムスン)SDIの共同研究チームが、バッテリーの熱暴走現象のメカニズムを分析し、国際学術誌「アドバンストマテリアルズ」の1日付に発表したと明らかにした。

熱暴走現象は、多くの蓄電池メーカーが使用するハイニッケルバッテリーで主に発生している。ハイニッケルとは、ニッケルの含有量が80%以上の陽極材を使用するバッテリーで、容量は大きいが熱安定性が低く熱暴走にさらに脆弱だという短所がある。最近、仁川青羅(インチョン・チョンラ)国際都市で起きた大型火災の原因として指摘されている中国CATLの「ニッケル・コバルト・マンガン(NCM)811」バッテリーもハイニッケルバッテリーだ。

研究チームは、放射光加速器基盤のX線回折手法を活用してバッテリー内部を観察した。その結果、陽極と陰極の間に化学種が交換される過程で、「自己増幅」反応が起きることを確認した。このような自己増幅の過程が早く起き、熱暴走につながることになる。

研究チームは、陰極の表面を新しいコーティング法で覆うと、陰極から始まる自己増幅を防ぐことができたと伝えた。イム教授は、「これを活用して、国内企業の競争力を高めることができるだろう」と話した。


チェ・ジウォン記者 jwchoi@donga.com