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「選挙妨害」の金慶洙氏が、政治を再開できるという奇妙な期待

「選挙妨害」の金慶洙氏が、政治を再開できるという奇妙な期待

Posted August. 10, 2024 09:31,   

Updated August. 10, 2024 09:31

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金慶洙(キム・ギョンス)元慶尚南道(キョンサンナムド)知事が光復節特別赦免の対象に選ばれた。法務部が8日に開催した赦免審査委員会では、金氏とともに趙允旋(チョ・ユンソン)、玄伎煥(ヒョン・ギファン)元大統領政務首席秘書官、安鐘範(アン・ジョンボム)元大統領政策調整首席、(ウォン・セフン)元国家情報院長らが特別赦免の対象者に選ばれたことが分かった。法務部長官が特別赦免名簿を尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に報告すれば、13日の閣議で審議・議決を経て確定される。

金氏は、2017年5月に行われた大統領選挙の前後に、「ドゥルキング」キム・ドンウォン氏と共謀してポータルサイトの記事約8万件のコメント順位を操作した容疑で、懲役2年の実刑が確定した。22年12月に行われた特別赦免で残形執行免除で釈放されたが、復権はされず、27年12月まで被選挙権が制限されている。今回、復権となれば、26年の地方選挙や27年の大統領選挙に出馬することが可能になる。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の「最後の秘書官」であり、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の大統領選候補の随行チーム長を務めた「親文嫡子」とされる金氏の復権をめぐって、最大野党「共に民主党」からさまざまな反応が出ている。非明(非李在明)系では、「民主党の多様性と躍動性を生かし、回復するきっかけになる」と歓迎しているが、親明系(李在明系)は「政治的意図があるのではないか」とけげんな様子だ。金氏の足かせを解くことで、「李在明(イ・ジェミョン)一極体制」を揺るがすという与党の計算があるのではないかと疑っているのだ。与党「国民の力」内でも、「非明系の求心点になる」と見通した。

このような政治的解釈は、金氏が当然復帰することを前提にしたものだ。しかし、法的な障害がなくなったからといって、再び金氏が政治をすることに何の問題もないという正当性まで得られるわけではない。民間組織を動員して大統領選挙の世論に影響を与えようとした「ドゥルキング事件」は、多くの有権者の判断を曇らせた重大な犯罪だ。復権がなされても、「選挙民主主義の毀損」事実そのものが消えるわけではない。

さらに、金氏はこれまでこの事件について謝罪もしていない。むしろ、最高裁の確定判決が出た後、「司法部が真実を明らかにしなかった」と悔しがった。深刻な選挙犯罪をしておきながら反省すらしない金氏が政治を再開する資格があるのか、まず検討しなければならない。