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4人目の安保室長と3人目の国防長官、理由も不明瞭な人事

4人目の安保室長と3人目の国防長官、理由も不明瞭な人事

Posted August. 14, 2024 09:52,   

Updated August. 14, 2024 09:52

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の13日の外交安保ライン改編をめぐって後日談が絶えない。新しい国防部長官に金龍顕(キム・ヨンヒョン)大統領警護処長を指名し、申源湜(シン・ウォンシク)国防長官を国家安保室長に、張虎鎮(チャン・ホジン)安保室長を外交安保特別補佐官にそれぞれ異動する事実上の「回転ドア」人事だが、突然の人事発表の背景説明が不可解だ。特に、外交と国防を網羅するコントロールタワーである安保室長を外交官出身から軍出身に代えたことをめぐっては、政府内でも果たして正しい選択なのか疑問が提起されている。

今回の人事は、大統領の高校の先輩である最側近の軍出身者を国防長官に起用し、外交部出身の安保室長が外された格好だ。よく知っている人、一緒に働いたことのある人を重用する尹大統領の人事スタイルが露呈したように見える。しかし、突然の発表から不十分な後続措置などすべてが疑問だらけだ。後任の警護処長は発表されず、急造された特別補佐官の役割も不明だ。また、当分の間、国防長官が安保室長まで兼任するという。現政権に入ってすでに4人目の安保室長、3人目の国防長官の人事であり、それぞれ7ヵ月半と11ヵ月で交代したにもかかわらず、きちんとした説明がない。そのため、何か言えない事情があるのではないかという疑念が生じる。

大統領室は、尹大統領がすでに以前から構想していたことであり、叱責性の人事ではないと説明する。1ヵ月前の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席した時から、急変する国際情勢に対応するための安全保障構想を立てており、夏休み中に熟考した結果だという。しかし、情勢変化の分岐点となる米大統領選挙が80日後に迫っていることを考慮すると、この時期に「外交より国防」を優先する人事が果たして適切な判断なのか、首をかしげるほかない。

11月の米大統領選挙でトランプ前大統領であれ、ハリス副大統領であれ、誰が当選しても新政権が発足するため、その変化の影響、特に韓米同盟に与える不確実性は大きいだろう。その分、韓国政府としては外交力を集中しなければならない重要な時期だ。北朝鮮の挑発に対して強硬な対応を主導してきた軍出身の安保室長が、機敏で柔軟な外交的対応までうまくできるのか疑問だ。さらに、このような敏感な時期に、過去に「口封じ」過剰警備のような物議を醸した人物が国防長官に起用されたことも適切とは言い難い。どの分野よりも安定的であるべき外交安保ライン人事なのに、あまりにも頻繁な交代に加え、その理由すら不明瞭であれば、問題は深刻だ。