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「年金保険料を世代別に差別引き上げ」、あえて「ダメな道」を選ぶのか

「年金保険料を世代別に差別引き上げ」、あえて「ダメな道」を選ぶのか

Posted August. 17, 2024 08:54,   

Updated August. 17, 2024 08:54

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大統領室は早ければ今月末、国政ブリーフィングの形式で、世代間の公平性と持続可能性に重点を置いた国民年金の改革案を発表するという。しばらくしてから年金を受け取る若い世代は少なく払い、まもなく年金を受け取る壮年世代は多く払う構造に変えるという。基金の枯渇に備えて自動的に納付額と受給額を調整する「自動財政安定化装置」も推進する。このようにすれば、基金枯渇時点も2055年から30年以上遅らせることができると、政府は分析している。

第22代国会に入って、年金改革の議論が止まった状況で、政府が改革の方向性を提示することは意味がある。しかし、世代によって保険料率を別に適用する案は、世界的に未曾有の方法であるため、議論が起こると見られる。例えば保険料率を現在の9%から13%に引き上げるならば、青年層は10年にわたり、壮年層は5年にかけて引き上げ、最終保険料率に達する時期を変える方法だ。急激な引き上げ率が適用される中高年層の抵抗を招きかねない。

世代をどのような基準で分けるかも不明確で、世代間の葛藤のみ誘発するという指摘も出ている。40~50代の非正規職と自営業者の保険料を、20~30代の高所得正規職よりさらに早く上げるのが正しいか公平性をめぐる議論が予想される。能力によって負担するという社会保険の原則に反するという根本的な批判もある。政府は差等引き上げの原則だけを明らかにし、細部的数値は国会議論を通じて確定するという方針だというが、昨年10月に敏感な数値を除いた24個のシナリオの「中身のない改革案」を国会に押し付けたことを連想させる。

これに先立って、第21代国会は陣痛の末、保険料率は13%、所得代替率は44%で合意直前まで行ったが、母数改革と構造改革を共にしなければならないという与党の反対で、議論が第22代国会に延ばされた。所得代替率1%ポイントの差をめぐっても対立を経験していたが、母数改革に加え、あれこれ他の事案まで入れれば、与野党合意と対国民説得にどれだけ多くの時間がかかるか予測しにくい。

政府は、具体的で実現可能な案を提示し、これを基に国会が超党的議論と世論の収集を経て最終案を決定することがきちんとした手順だ。ひとまず第21代国会で意見のアプローチを成し遂げた「さらに払う」案に合意し、世代間公平性の確保など、敏感な問題は今後議論を継続する段階的アプローチが必要だ。年金問題では、根本的な改革と同様、迅速な改革も重要だ。年金改革が遅れている今、この瞬間、毎日基金の損失が1000億ウォンずつ増えている。