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会わないとわからない

Posted August. 17, 2024 08:54,   

Updated August. 17, 2024 08:54

한국어

10年前、日本の大学で研修を受けていた時のことだ。休暇を利用して自転車で日本列島を縦断していた時、札幌のユースホステルで出会った男性が、日本国内の嫌韓報道を根拠に韓国批判を浴びせた。「嫌韓報道はごく一部の事例を誇張している」と反論すると、「韓国人の考えや行動をメディアでしか見たことがなく、それが画一的で型にはまったものだった」と一歩後退した。また、「後日一緒に自転車に乗ろう」と提案した。

彼とは旅行後、東京に戻ってから一緒に自転車に乗る仲になった。千葉で開かれた200キロの自転車大会にも一緒に出場したが、慣れない道を彼と彼の知人が自分の記録を気にせず、前後でエスコートしてくれて無事完走することができた。

今月初めに公開された韓国保健社会研究院の社会統合調査の結果を見て、当時を思い出した。調査では、国民の92.3%が、「社会の対立のうち、保守と進歩間の対立が最も深刻だ」と答えた。また、58.2%は、「政治性向が異なる人と恋愛・結婚をすることはできない」とし、33%は「政治性向が異なる友人・知人と酒を飲む考えはない」と明らかにした。

「私たち」と「他者」を区別し、自分と他者を警戒するのは、人間が持つ「部族本能」だ。それでも過去には、家族会、同窓会、飲み会、保護者会などで、考えが異なる人と会う機会があった。新聞やテレビのニュースでも、賛否両論の意見をある程度バランスよく聞くことができた。

しかし、いつからかスマートフォンやメッセンジャー、SNSなどを通じて見知らぬ人と対面せずに仕事を処理することが自然になった。また、新型コロナウイルス感染拡大期を経て、国民の多くが非対面に慣れた。新聞やテレビの代わりにユーチューブなどがかなりの部分を置き換え、聞きたいことだけを聞き、似たような人同士が集まる傾向も強くなった。

それなら、見知らぬ人に会わない方が良いのだろうか。17年、米シカゴ大学の研究チームは、通勤電車に乗る市民を対象に実験を行った。乗車前、多くは「見知らぬ人と話したくない。一人で行く方がずっといいだろう」と予想した。しかし、実験の結果、一人で通勤した人よりも「見知らぬ人と会話をするように」と指示された人が「通勤時間がずっと楽しかった」と答えた。

同年、ドイツの週刊誌「ディー・ツァイト」は、企画「ドイツが語る」を始めた。オンラインアンケートを行い、考え方が正反対の人に会ってみようという趣旨だった。この企画は、欧州全域に広がったが、結果は驚くべきものだった。難民と極右主義者、同性愛者と敬虔なカトリック信者が互いをかなり理解するようになったというコメントを残した。ディー・ツァイト編集長は、自身の著書『嫌悪のない暮らし』で、「多くの参加者が戦いなど劇的なことを期待したが、実際に発見したのは同意と共感だった」と書いた(東亜日報も2020年「極と極が出会う」企画を通じて、考え方の異なる人々が対話を通じて互いを理解していく様子を指摘した)。

個人的な話だが、筆者は選挙のたびに配偶者とどの候補に投票したかを話す際、互いに違う候補を投票したことが多かった。しかし、17年間問題なく結婚生活を続けている。また、進歩と保守政権の双方で大統領府に出入りして知ったのは、進歩の絶対多数は従北左派ではなく、保守の絶対多数は土着ではないということだった。

私たちが日常的に接する人々は、進歩と保守のどちらの極端にいるのではなく、これまで様々なスペクトル上のどこかにいる。そしてそれは実際に会ってみないと分からないことだ。10年前、ある日本人男性が筆者に会った後、実際の韓国人が嫌韓ニュースに出てくるのとは違うことを知ったように。