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何を気にして「医学部2000人割り当て」会議資料を廃棄したのか

何を気にして「医学部2000人割り当て」会議資料を廃棄したのか

Posted August. 19, 2024 09:26,   

Updated August. 19, 2024 09:26

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16日に開かれた国会教育委員会と保健福祉委員会の「医学部教育点検聴聞会」で、教育部が定員配分委員会の会議資料を廃棄したと明らかにし、議論となっている。来年から増える医学部定員2000人は、3月に3回開かれた配分委で地域の医学部40校に割り当てられた。教育部は、「配分委は法廷機構ではなく諮問機構なので、会議録作成の義務がなくて会議録を作っておらず、会議参考資料と会議内容を手記した手帳も全て廃棄した」と明らかにした。同日、教育部は1~3次会議の結果を各々4ページずつ要約した資料だけを国会に提出した。

医学部増員のように、教育と保健システムに波及力の大きい政策を推進しながら、一切資料を残さなかったという教育部の説明は分かりづらく、不思議ともいえる。教育部の呉碩煥(オ・ソクファン)次官は、「会議進行の過程で議論になりうる部分について、資料を保有せず廃棄した」と話した。医学部増員は利害関係が激しく、過去に何度も撤回を繰り返してきた敏感な政策だ。政策失敗の責任を負うかもしれない公務員が、会議録の作成どころか、手で記録した手帳まで破砕したということは常識に合わない。「暗闇審査」で何を隠そうとしたのか、今後問題になる資料を廃棄しろという指示があったのではないかという疑問が大きくなるばかりだ。

医学部の増員に反発した専攻医が病院を離れてから1カ月後の3月15~18日、教育部は配分委員会を開き、医学部の増員を確定した。5時間30分がかかったたった3回の会議で、1000ページに達する医学部増員の申請書を検討し、医学部別定員を配分した。配分委が事実上、挙手機の役割をしなかったなら、不可能なことだ。

政府は、必須医療と地域医療の医師空白を解消するため、医学部の増員という政策的判断を下したのだという。その判断が共感を得て、政策が推進力を得るためには、政策の根拠と過程を透明に公開しなければならない。当為性だけで一方通行をしては対立が増幅し、政策の受け入れが落ちる。政府が会議録さえ残すことを憚り、密室で拙速に医学部の増員を推し進めた結果は、6ヵ月以上続く医政対立と医療跛行だ。いまや、医学部増員の正当性と必要性までが揺れる状況となっている。突然決定された2000人という数字に埋没し、変則的に政策を推進した政府の責任を問わざるを得ない。