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戦車白兵戦

Posted August. 20, 2024 09:32,   

Updated August. 20, 2024 09:32

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クルスクはわずかな炭鉱を保有している以外、特別なことはない静かな都市だった。1943年7月5日から8月23日に、クルスクの突出部をめぐってドイツ軍とソ連軍との間で血戦が繰り広げられなければ、一般の人は名前を耳にすることもない場所だった。しかし、ドイツ軍80万人、ソ連軍200万人が動員されたクルスクの血戦は、戦争史に興味のある人なら知らない人はいない都市になった。特に大規模な戦車戦は1500台以上の戦車が絡み合い、白兵戦を繰り広げた血戦で、戦車戦史上最も悲惨で壮絶な、そして二度と行われない戦いと言われている。戦車白兵戦とは聞き慣れない言葉だが、文字通り、戦車同士が近接血戦を繰り広げる戦いだ。砲弾を発射できない戦車や炎上した戦車は、敵の戦車に肉弾で衝突することもあった。一世代後、ロボットが戦闘にとって代わるようになれば、私たちは再びこのような光景を目にすることになるかもしれない。

戦史マニアにのみ記憶されていた地域が、突如として世界の注目を浴びている。またもや戦争のためだ。今回のクルスク戦域も劇的にロシア・ウクライナ戦争で最も注目される戦闘になりそうだ。

まさにチキンゲームとなった。ウクライナは精鋭戦力を投入し、ロシアの第2線部隊では対応できない。ロシアは東部戦線の主力を引き揚げるしかないようだ。その間にウクライナ軍は防衛陣形を確保する時間を稼ぐことができる。あるいは、東部戦線で冒険をすることもできる。10月まで持ちこたえれば、秋の雨で地面が泥水になる「泥濘期」になる。クルスクは平原なので防衛に不利な場所のように見えるが、その逆だ。むしろ攻撃部隊が完全に露出し、わずかな丘陵、森、溝が立派な防衛地形となる。1943年、ドイツ軍は十分に要塞化されたクルスクの突出部に突入し、回復不能な損失を被った。