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尹大統領が拒否権行使した「伝貰詐欺法」に与野党が合意、政争の悪循環を断ち切る契機に

尹大統領が拒否権行使した「伝貰詐欺法」に与野党が合意、政争の悪循環を断ち切る契機に

Posted August. 22, 2024 09:04,   

Updated August. 22, 2024 09:04

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与党「国民の力」と最大野党「共に民主党」が、伝貰(チョンセ=住宅の賃貸保証金)詐欺被害の救済法を、第22代国会の第1号の民生法案として可決させることにした。第21代国会の最後に民主党が単独で処理し、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が拒否権を行使して廃棄された法案だが、3ヵ月ぶりに与野党が折り合って妥協したのだ。野党の一方的な立法強行と大統領の拒否権行使、そして法案廃棄が繰り返される政争の悪循環を断ち切る契機になるのか注目される。

国会国土交通委員会の法案審査小委が一昨日可決させた「伝貰詐欺被害者への支援および住居安定に関する特別法」には、競売に出された伝貰詐欺住宅を韓国土地住宅公社(LH)が落札し、被害借家人に最長10年間無償で貸与する内容などが含まれている。無償賃貸の終了後は、公共賃貸水準の価格でさらに10年間貸与する。与野党は早ければ28日、本会議で法案を処理する予定だ。

今回の案は、伝貰詐欺の被害者に保証金を現金で先に返し、後で家を売って資金を回収する内容のう民主党の「先補償、後回収」法案とは違いがある。しかし、政府が対案として提示した10年間の無償賃貸案が現金支援に近い効果があり、立法がさらに遅れれば被害者の苦痛が大きくなるため、民主党が果敢に受け入れ、与野党の合意が実現した。

今回の合意を機に、行き詰まっていた民生、経済法案の処理には拍車がかかるものと期待される。養育義務を怠った両親を相続から排除する「ク・ハラ法」、両親が子供1人当り1年ずつ使える育児休業の期間を1年半に伸ばす「育児休業の拡大法」も、与野党合意で処理される可能性が高まっている。先端産業の基盤造成に欠かせない「国家基幹電力網拡充法」にも、与野党は異論がない。医・政対立による医療空白を埋めるために、診療支援(PA)看護師を法制化する内容の看護師法には若干の異見が残っているが、与野党ともに必要性には共感している。

総選挙と与野党執行部の再編、弾劾・聴聞会政局を経て、国会の立法機能は麻痺している。伝貰詐欺法だけでも、被害が発生してから3年が過ぎても立法が行われず、国会が責任を放棄しているという批判が大きかった。国家競争力強化に必要な「半導体法」など必ず解決しなければならない立法課題が次々と待っている。ぶつかる時はぶつかっても、民生・経済事案では与野党が力を合わせて急場しのぎの協力姿勢を見せなければならない。