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わずか1日の聴聞報告書再送付期限

Posted August. 22, 2024 09:05,   

Updated August. 22, 2024 09:05

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先月30日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、李真淑(イ・ジンスク)放送通信委員長候補の人事聴聞会経過報告書の再送付を国会に要請した後、翌日に任命を強行した。注目されるのは、再送付期限が1日だけだったということだ。人事聴聞会法では、国会が人事聴聞会報告書を送付できなかった場合、大統領は10日以内に期間を定めて国会に送付を要請することができる。

野党が聴聞報告書の採択に反対して、人事権者である大統領が人事聴聞報告書の送付を要請する場合、与野党が十分に意見を調整する時間を考慮して、少なくとも2、3日程度の期限を与えるのが慣例だった。尹大統領も任期初めの2022年7月、朴順愛(パク・スンエ)副首相兼教育部長官らを任命する際には7日間期限を与えたこともあり、少なくとも2、3日の期限を設けた。

しかし、昨年12月の金洪一(キム・ホンイル)放送通信委員長任命に続き、李氏の任命時も再送付期限を当日にしたのだ。どうせ野党は立場を変えないだろうという認識と、公営放送理事選任案の議決を迅速に処理しようとする与党の本音が反映されたのだろう。しかし、対話と妥協はないという与野党の「強対強」の対立を示す一面だった。

尹大統領が16日、劉相任(ユ・サンイム)科学技術情報通信部長官の任命案を裁可したことで、尹政権に入って国会の人事聴聞会報告書を採択せずに任命された長官級も26人に増えた。文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は任期中、34人の長官級の任命を野党の同意なく強行した。就任2年3ヵ月の同じ期間を比較しても、文政権時代は23人で現政権の方が多い。

そのため、候補の能力や道徳性が国民の目線に合うかどうかを判断し、大統領の人事権を国会が牽制するようにした人事聴聞会制度が無力化されたと指摘されている。大統領がどうせ任命を強行するのになぜ人事聴聞会を行うのかということだ。

人事聴聞会が実質的な検証台としての役割は果たせず、晒し上げて恥をかかせることに終始するのも問題だ。李氏の人事聴聞会で野党は前例のない「3日間聴聞会」を行い、決定打なく、大田(テジョン)MBC社長時代の法人カード流用疑惑など粗探しに汲々とし、与党は「MBCなど放送改革の適任者」と援護に躍起になった。劉氏の聴聞会では、野党が長男の米国滞在時代の行いを問題視し、息子の病歴が露呈することもあった。劉氏の大きな欠点は見られなかったという評価が多いが、野党は人事聴聞会報告書の採択を拒否した。政策と能力検証を中心に人事聴聞会制度を改善しなければならないという声が続いているが、与野党の対立の中で議論は後回しになるしかない。

野党の任命同意を得なければならないポストは、まったく人選ができない状態だ。韓悳洙(ハン・ドクス)首相は、4・10総選挙の敗北後、辞意を表明し、交代が検討されていたが、結局、見送られた。与党関係者らは、国会本会議の採決が必要だが、与野党が対立している状況で192議席を占めた野党の同意を得るのは難しいという理由を挙げた。

膠着した与野党関係を解くための鍵は、尹大統領が握っている。野党との対話の中で、野党が納得できる人事を行うことが先決だろう。総選挙直後、朴映宣(パク・ヨンソン)元中小ベンチャー企業部長官と楊正哲(ヤン・ジョンチョル)元民主研究院長をそれぞれ首相と大統領秘書室長に検討するという話が出たことを考えると、尹大統領も協治に対する意思がないわけではないだろう。