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世界は利下げに踏み切るのに家計負債に足止めされた韓銀

世界は利下げに踏み切るのに家計負債に足止めされた韓銀

Posted August. 23, 2024 09:03,   

Updated August. 23, 2024 09:03

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韓国銀行(韓銀)は22日、基準金利を3.50%に据え置き、過去最長期間の据え置き記録を更新した。昨年2月に利上げを止めて以来、13回(約1年7ヵ月)連続となる。米国や欧州などの主要国は、すでに利下げを行ったり、利下げを事実上予告しているが、韓国のみ増える家計負債に足止めされて、金利高の基調を維持せざるを得ない状況が続いている。

李昌鏞(イ・チャンヨン)韓銀総裁は22日、金融通貨委員会の直後に開いた記者会見で、「物価水準のみ見れば、利下げの条件が造成されていると判断する方向に向かっている」としながらも、「利子率を急に下げたり流動性を過剰供給して不動産価格上昇の心理を刺激するミスを犯してはならない」と金利据え置きの理由について説明した。景気が減速し、物価上昇率も下がる状況だけを見れば金利を引き下げるのが正しいが、住宅価格と家計負債などの金融不安が深刻で、現在の基準金利を維持するほかはなかったという意味だ。韓銀は同日、「修正経済予測」で今年の実質経済成長率の予測値を従来の2.5%から2.4%に下方修正した。

韓銀の金利据え置きの動きは、次々と利下げに踏み切る他の国々の行動とは相反する流れだ。これに先立って、カナダは主要国の中で初めて今年6月から金利を2回連続で引き下げており、6月に金利を一度下げた欧州中央銀行(ECB)は、9月に追加引き下げの可能性を天秤にかけている。また、中国も先月、基準金利の役割をする最優遇貸出金利(LPR)を引き下げ、英国も今月初め、4年ぶりに利下げに踏み切った。グローバル通貨政策のバロメーターの役割をする米国も、来月の引き下げが確実視される。連邦準備制度(FRB)が21日(現地時間)公開した7月のFOMC議事録によると、19人の参加者のうち、大半は9月の利下げが適切だと見た。ウォール街では、FRBが一度に0.5%ポイントを下げる「ビッグカット」を占う予測も大きくなっている。

同日、韓銀の金利据え置きの決定に大統領室は、「金利の決定は金通委の固有の権限だが、内需拡大の側面から見れば物足りなさはある」と異例に別途の立場を示した。景気減速に対応するために、韓銀はこの日直ちに利下げに踏み切るべきだったという意味だ。

しかし、専門家らは、政府が最初から家計負債や住宅価格の管理に失敗したのが、今の韓銀の手足をしっかり縛るブーメランとなって戻ってきたと指摘している。今になって内需を活性化させるために、下手に利下げに踏み切れば、不動産市場と家計向け融資に火をつけかねないという懸念も少なくない。家計負債は6月末現在、1896兆ウォンと、過去最大に膨らんでいる。不動産価格も、首都圏を中心に上昇し、ソウルのマンション価格は22週連続で上昇を続けている。


チョ・ウグォンヒョン記者 ニューヨーク=イム・ウソン特派員 yesbro@donga.com