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韓国語の校歌に手拍子をするスポーツマンシップ

韓国語の校歌に手拍子をするスポーツマンシップ

Posted August. 26, 2024 09:17,   

Updated August. 26, 2024 09:17

한국어

在日韓国系の学校である京都国際高校の優勝で幕を閉じた第106回日本全国高校野球選手権大会(甲子園)。グラウンドで抱き合って歓喜した瞬間も束の間。京都国際の選手たちは本塁ベース付近に一列に並んで、私たちにも馴染みのある「東海を超えてきた大和の地は偉大な我が祖先の古の夢の場所」で始まる韓国語の校歌を歌った。その瞬間、相手チームの関東第一高校の1塁側応援席から、校歌に合わせて「手拍子」が響き渡った。なぜ相手チームの応援団は、京都国際の韓国語の校歌に手拍子を送ったのだろうか。

準々決勝が行われた19日の阪神甲子園球場。島根県代表の大社高校と鹿児島県代表の神村学園が対戦した。大社高校は、京都国際が優勝を果たすまで今大会で最も注目されたチームで、「世紀のホームラン王」王貞治の母校の早稲田実業高校など野球の名門校を次々と破り、準々決勝まで勝ち進んだ。

93年ぶりの準々決勝進出に、在校生、卒業生、地域住民など数千人が甲子園球場に大社高校の応援に集まった。同校のマンモス級の応援合戦は、今年の甲子園の最高の名物だった。

結果は2-8で大社高校が破れた。試合終了後、相手チームの校歌が球場に響き渡ると、驚くべきことが起こった。大社高校の応援団が相手の校歌に合わせて手拍子をしたのだ。相手チームの監督は、「あの手拍子を聞いたときに、大社高校さんの分まで絶対次は勝たないといけないなと責任はすごく感じました」と勝利を誓った。

神村学園は21日の準決勝で関東第一高校に1-2で逆転負けした。すると今度は神村学園の応援団から手拍子が鳴り響いた。勝利した関東第一高校の校歌に合わせて手拍子を送ったのだ。スティックバルーンも叩き、手拍子の音は競技場に鳴り響いた。2日後、決勝で勝利した京都国際が最後の主役として、関東第一高校応援団の手拍子を受けた。校歌斉唱後、自分たちを応援してくれた3塁側応援団に駆け寄って挨拶をした京都国際の選手たちは、すぐに後ろを振り返った。校歌に手拍子を送ってくれた1塁側の相手チームの応援団に向かって、帽子を脱いでお辞儀をした。

韓日関係の問題が発生するたびに、ネット上には様々な誹謗中傷や悪質なコメントが飛び交う。京都国際の韓国語校歌をめぐっても、日本では「あんな学校を除名すべきだ」、韓国では「あんな嫌韓を放っておくべきなのか」という書き込みがあった。このような時、チームは萎縮するもので、京都国際内でも校歌を変えようという提案が多いという。今月中旬、韓国では光復節のプロ野球の試合に日本人選手を出場させるべきかどうかをめぐって論争が起こった。

誹謗中傷と論争は野球場外の話で、グラウンド内には炎天下で真っ黒に焼けた選手たちの汗、正々堂々とした勝負、勝利チームに敬意を表し、相手チームを尊重するスポーツ精神だけがあった。準々決勝から始まった相手校の校歌への手拍子は、トーナメントのはしごを登って頂点に立った京都国際にまでつながった。インターネットで相手を攻撃するのに指先だけが忙しい「キーボードウォリアー」にはわからない世界だ。

試合後、京都国際の藤本陽毅(はるき)主将は、韓国語校歌をめぐる論争について、非難に負けることなく、「応援してくれた人たちのために絶対に勝ってやろうと思った」と話した。試合後、相手チームの応援席から沸き起こる激励の拍手を記者は直接聞いた。感動的なスポーツマンシップだった。