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おばあちゃんを胸に抱いて…チュ・ジョンフンがパラリンピック・テコンドーで銅メダル

おばあちゃんを胸に抱いて…チュ・ジョンフンがパラリンピック・テコンドーで銅メダル

Posted September. 02, 2024 09:28,   

Updated September. 02, 2024 09:28

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「パリに来る前に約束したメダルと牛肉を持って、おばあちゃんのお墓参りをするつもりだ」

1日、パリパラリンピックのテコンドーK44男子80キロ級で銅メダルを獲得したチュ・ジョンフン選手(30)はこのように話した。2021年の東京大会で銅メダルを獲得して帰国した後、一番先に認知症で療養病院にいた祖母をお見舞いしたが、今回も自分のメダルを亡くなった祖母に一番先に捧げると言った。

チュ選手が祖母にこれだけ切ない思いを持っている理由は、幼い頃、慶尚南道咸安郡(キョンサンナムド・ハムアングン)にある祖母の家で育ったためだ。チュ選手は、共働きをしていた両親の代わって祖母キム・ブンソンさんの手によって育てられた。しかし、チュ選手が2歳の時、祖母がしばらく席を外している間、家の外に出て牛飼料用カッターに右手を入れたため、今の障害を負った。その後、祖母は息子夫婦とチュ選手に会うたびに、自分は罪人だと言って涙を流した。チュ選手はあまりにも幼い時に起きたことなので覚えていなかったが、おばあさんは一生罪悪感を持って生きた。

チュ選手は自分に罪悪感を持っているおばあさんにいつも申し訳ない気持ちだった。祖母は2018年になってようやく涙を止めた。罪悪感が消えたのではなく、認知症で記憶を失い、孫を認識できなくなったからだ。東京大会を終えた後に訪れた時も、依然としてチュ選手のことを認識できなかった。それから数ヵ月後、祖母はこの世を去った。チュ選手は祖母が危篤だという連絡を受けて急いで療養病院を訪れたが、臨終に立ち会うことができなかった。その代わり、祖母がチュ選手の名前を呼んでいたという話を聞いた。

チュ選手はその後、祖母を胸に抱いて再び走った。パリに発つ前、祖母の墓を訪れて「大会が終わった後、金メダルとともに(普段大好物だった)牛肉を持ってきます」と約束した。チュ選手は、「ラウンド16と準々決勝は軽くパスしたが、準決勝で対戦したルイス・マリオ・ナヘラ(メキシコ)を越えることはできなかった。準々決勝で相手の膝に当たった左骨盤に痛みが覚えたが、最後まで我慢して試合に出た。チュ選手は銅メダル決定戦で、ヌルラン・ドムバエフ(カザフスタン)を7-1で下し、2大会連続で銅メダルを獲得した。悲願の金メダルではなかったが、最善を尽くしたので悔いはなかった。


パリ=キム・ジョンフン記者 hun@donga.com