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ドイツ東部の州議会選、新党BSWが「右派の議題に左派の論理」で極左躍進を牽引

ドイツ東部の州議会選、新党BSWが「右派の議題に左派の論理」で極左躍進を牽引

Posted September. 03, 2024 09:16,   

Updated September. 03, 2024 09:16

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「小市民に安定した生活を取り戻す。福祉国家を実現するため、難民受け入れ政策には反対する」

最近、欧州全域で極右が台頭しているのに対し、1日に行われたドイツ東部の州議会選挙では、極左陣営が躍進するという異例の結果が出た。その中心には、反既得権益と反移民、反西欧など左右の価値観を取り入れ、ドイツ政界でも「突然変異」と呼ばれる社会主義政治家ザーラ・ワーゲンクネヒト氏(55)がいる。

ワーゲンクネヒト氏が今年1月に結成したザーラ・ワーゲンクネヒト同盟(BSW)は1日、旧東ドイツ地域の2州で行われた州議会選挙で11~15%台の得票率を記録した。英BBCによると、同日、ワーゲンクネヒト氏のBSWはテューリンゲン州とザクセン州で行われた州議会選挙の双方で3位を記録し、キャスティング・ボートを握る成果を収めた。

ワーゲンクネヒト氏はもともと冷静なイメージの「闘士型」全国区スター政治家だった。社会民主党や緑の党などで構成された政権連立を「経済性の低い思想を教えようとする『ライフスタイル左派』」と呼んで批判した。特に2015年、メルケル政権の難民受け入れ政策に反旗を翻して注目された。福祉国家を実現するには、ある程度の社会的同質性は必須であるというのがワーゲンクネヒト氏の見解だ。

最近、ドイツに極右ブームをもたらした極右「ドイツのための選択肢」(AfD)に対しても、「ナチズムに反対する」と公然と反感を示した。最近、ポリティコ欧州版のインタビューでは、「疎外された労働者階級のための『本当の代替案』はAfDではなく私だ」と話したこともある。極右AfDはテューリンゲン州において32.8%で1位を占め、ザクセン州では30.6%でメルケル前首相のキリスト教民主党(31.9%)に次いで2位を記録するほど勢いづいている。

ドイツで極右に続き、極左政党まで支持を得るということは、それだけショルツ首相が率いる連立政権に対する不満が大きいことがうかがえる。来年9月のドイツ総選挙を控え、民心を推し量る今回の選挙で、有権者の半数近くがワーゲンクネヒト氏の極左政党、あるいは極右のAfDを選んだことになる。

ポリティコ欧州版は、ワーゲンクネヒト氏について、「右派の議題に左派の論理を着せ、自分のものとして吸収することに長けている」と評価した。その意味で、陣営を超えた公約でブルーカラー攻略に成功したトランプ前米大統領やフランスの右翼「国民連合」のマリーヌ・ルペン前党首を連想させるという意見もある。


イ・ジユン記者 asap@donga.com