ウクライナが先月6日からロシア南部クルスク州本土に進撃し、かなりの成果を上げたが、ロシアも優位に立ってきた東部戦線で先月1ヵ月間、ウクライナの領土477平方キロメートルをさらに占領したという。ソウル(605.21平方キロメートル)の3分の2を超える大きさで、ロシアが1ヵ月でこれだけ進撃したのは2022年10月以来初めてだ。
特に、ロシア軍はウクライナ軍の核心的な兵站地であるドネツク州ポクロウシクからわずか7キロ離れた地域まで進撃したことが分かった。ポクロウシクがロシア軍に占領されたり、大きく破壊されたりする場合、ウクライナ軍の打撃も大きいとみられている。このような中、ロシアはプーチン大統領が「無敵」と自賛した原子力推進式巡航ミサイル「ブレヴェスニク」の発射場をモスクワ近郊に建設するなど、武力示威を続けている。
●進撃のロシア、ウクライナの補給要衝地も危機
AFP通信は2日、米国のシンクタンク「戦争研究所」(ISW)の資料を分析し、「ロシアは8月にウクライナの領土477平方キロメートルを進撃した」と報じた。ウクライナ東部のドネツク州を中心に1日平均15平方キロメートル進撃したことになる。AFP通信は、「ロシアが1ヵ月間、これだけ占領したのは、22年10月、ウクライナのハルキウ反撃に対応して戦線を再配置した時以来だ」と伝えた。
ロシア軍は、最近の進撃過程でポルクロフスクの占領を目標にしているという。英紙フィナンシャル・タイムズによると、ポクロウシクはドネツク州内の主要都市はもとより、ウクライナ中心部につながる戦略的な物流中心地だ。現在、ウクライナ軍の核心的な兵站地としての役割を果たしている。同紙は、「ロシアがここを占領すれば、残りの地域に対するウクライナ軍の防衛まで弱体化させることができる」と指摘した。
ロシア軍が外郭7キロ地点まで進撃したため、ポクロウシクの住民は避難している。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、8万人が居住していた都市は毎日数百人が避難し、現在3万人しか残っていない。同紙は、「ウクライナがクルスク州を圧迫している間、ロシアはポルクロフスクを占領する努力を倍加した」と伝えた。
最近、ロシアが占領したウクライナの領土はさらに増えている。AFP通信によると、ロシアは1日現在、ウクライナ領土(60万3550平方キロメートル)の10%を超える6万6266平方キロメートルを占領した。昨年よりも1730平方キロメートルの増加だ。一方、ウクライナはクルスク州に進撃し、最初の2週間で1100平方キロメートルを確保したが、現在、計1150~1300平方キロメートルを制圧するにとどまった。
●ロシア、「無敵の原子力推進式巡航ミサイル」を配備
ロイター通信は、米シンクタンク海軍分析センター(CNA)の分析を引用し、「ロシアが原子力推進式巡航ミサイル『ブレヴェスニク』を配備したと推定される場所が捉えられた」と報じた。衛星写真によると、モスクワから北に475キロ離れた核弾頭貯蔵施設で9つの水平発射台が建設されている。ブレヴェスニクは18年3月、プーチン氏が「無敵の巡航ミサイル」と呼んで公開した核兵器だ。原子力推進式ロケットを搭載し、地上50~100メートルの高度で低空飛行し、ミサイル防衛網では迎撃が不可能とされている。
一方、プーチン氏は2日、モンゴルのウランバートルに到着し、3日にモンゴルのオフナー・フレルスフ大統領と会談する予定だ。昨年3月、国際刑事裁判所(ICC)がウクライナの子どもの強制移住疑惑などで逮捕状を発行して以降、ICC加盟国を訪問するのは初めてだ。ただし、モンゴルが逮捕に協力する可能性はないとみられる。
イ・ギウク記者 71wook@donga.com