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中国電気自動車に押されたフォルクスワーゲンがドイツ工場閉鎖を検討、設立以来初

中国電気自動車に押されたフォルクスワーゲンがドイツ工場閉鎖を検討、設立以来初

Posted September. 04, 2024 09:44,   

Updated September. 04, 2024 09:44

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ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が、87年の歴史で初めて自国工場の閉鎖を検討していることが分かった。中国の電気自動車の台頭に加え、ウクライナ戦争に伴うエネルギー大乱などで、コスト削減が切実になったからだ。

VWが工場閉鎖に踏み切ったのは36年前、米ウェストモアランドにある工場が唯一だ。ドイツでは1937年の創立以来、これまで一度もなかった。早くから中国市場に進出し、中国の自動車市場を席巻したVWが、台頭する中国製自動車の「逆襲」に苦しんでいる。

●コスト削減に乗り出す世界2位のVW

2日(現地時間)、ドイツ経済紙ハンデルスブラットなどによると、VWグループのオリバー・ブルーメ最高経営責任者(CEO)は同日、声明を発表し、「自動車産業が非常に困難で深刻な状況にある」とし、「包括的な構造調整を経なければならないだろう。工場閉鎖ももはや排除できない状況だ」と述べた。

ドイツだけでウォルフスブルク、ブラウンシュヴァイク、ザルツギッターなどに6つの工場を持つVWグループは、完成車工場と部品工場をそれぞれ1ヵ所ずつ閉鎖することを検討しているという。経営陣は2029年まで全従業員の雇用状態を保証する「雇用安定協約」を終了するとし、構造調整を予告した。昨年末基準、VWグループの従業員は全世界に68万4025人で、このうち29万8687人(43.7%)がドイツで働いている。

現地メディアのシュピーゲルは、この措置が実行されれば、現地で約2万個の雇用が消える可能性があると推定した。労働組合は強く反発した。ダニエラ・カヴァッロ労使協議会議長は、「収益性と雇用安定性が同等の地位を持つという数十年間の合意に経営陣が疑問を提起した」とし、「私たちの雇用と労働現場、団体協約に対する攻撃だ」と猛批判した。

●危機に陥ったドイツ自動車、海外市場の拡大に出る中国

労使和合と雇用安定の象徴だったVWが大々的な構造調整を予告したのは、それだけ会社が相当な危機に直面していることを物語る。VWがこの15年間、販売量1位の座を逃していなかった中国自動車市場では、昨年、中国の電気自動車ブランドであるビーワイディー(BYD)に押されて2位に後退した。中国の電気自動車は、中国市場でVWを萎縮させた後、欧州本土に勢力を拡大している。中国製電気自動車の欧州市場のシェアは、20年の2.9%から昨年21.7%に18.8ポイント増加した。

さらに、マザーファクトリー(核心生産施設)があるドイツの製造環境が厳しくなったことも負担になった。ウクライナ戦争後のエネルギーコスト上昇に加え、第1四半期(1~3月)の前年同期比の実質賃金上昇率はドイツ史上最大の3.8%を記録するなど、継続的なコスト圧力にさらされている。ブルーメ氏は、「製造業の本拠地として、ドイツは競争力の面でさらに後れている」と指摘した。

これにより、VWは22年上半期(1~6月)9.7%だった営業利益率が今年6.3%に落ちるなど苦戦している。グループ傘下のアウディも、コスト削減のために、7月に電動SUVのQ8e-tronの生産を停止し、このモデルを製造するベルギーのブリュッセル工場を閉鎖することを検討すると明らかにした。

自動車融合技術院のイ・ハング院長は、「ドイツ内の生産コスト負担の増加という一次的な原因に加え、中国製の低価格電気自動車との競争が今回の構造調整政策の引き金となった」と分析した。


金在亨 monami@donga.com