詩人李箱(イ・サン、1910~1937)が直接書いた創作ノートの原本が初めて公開された。日本語で書いた70ページ余りのノートで、「恐怖の記録」、「1931年」など計23本の習作が含まれている。
国立韓国文学館は5日、李箱の遺稿ノートを公開し「ハングル訳が介入する前の創作の形態を知ろうとする研究者たちが必死に探していた資料だ」とし、「細筆で細かく書いた創作ノートから、李箱文学の深層を垣間見ることができる」と明らかにした。
今回公開されたノートは、1981年に亡くなった文学評論家チョ・ヨンヒョンさんの遺族が寄贈したものだ。これに先立って、李箱の遺稿ノートは、金洙映(キム・スヨン)、キム・ユンソン、ユジョンなどのハングル訳で、1960年以降4回にわたって出版された。しかし、日本語の原文が実物で公開されたのは初めて。検証に参加した慶北(キョンブク)大学国語国文学科のキム・ジュヒョン教授は、「李箱の日本語筆跡が残っている資料は多くない」とし、「幸い今回の遺稿には李箱の手書き署名が残っているが、その筆跡は彼の所蔵品である『田園手帳』に掲載されたものと一致する」と話した。
李箱の遺稿ノートは、28日に開幕する国立韓国文学館所蔵の希少資料展「韓国文学の脈拍」で見ることができる。展示は11月24日まで、ソウル鍾路区(チョンノグ)の大統領府春秋館の1階で開かれる。
キム・ソミン記者 somin@donga.com