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対米投資100兆ウォンの韓国企業、米大統領選のリスクに緊張

対米投資100兆ウォンの韓国企業、米大統領選のリスクに緊張

Posted September. 06, 2024 09:16,   

Updated September. 06, 2024 09:16

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2ヵ月後に迫っている米大統領選挙が予測を許さない接戦の様相を呈し、米国に大規模な投資を行っている韓国企業の悩みが深まっている。米共和党と民主党の経済政策の基調が克明に分かれており、投資当時の米政府の約束がきちんと守られるかどうか不確実であるためだ。大統領選の過程で、両党とも米国優先主義とポピュリズムの色彩が明確になっており、海外企業に対する補助金が減るなど、韓国企業が不利益を受ける可能性も高くなっている。

韓国企業は2021年、バイデン政権の発足以来、チップス法とインフレ削減法(IRA)により、米国に大規模な投資を行ってきた。韓国の上位4位の企業グループが投資した金額だけでも104兆2000億ウォンに上る。しかし、米政府の補助金支給が遅れ、共和党候補のトランプ氏がIRA廃棄を公言するなど、政治的な不確実性が高まり、投資が保留、延期されている。今年下半期の稼動を目指していた三星(サムスン)電子のテイラー・ファウンドリ工場は、2026年以降に量産時期が延期された。SKオンとLGエネルギーソリューションが米国に建設しているバッテリー工場の稼動も不透明になっている。

大統領選を控え、米国優先主義の影響力が強まっていることも懸念材料になっている。日本製鉄によるUSスチールの買収が不成立の危機に追い込まれたのは、選挙のために経済問題が政治化された代表的な事例だ。トランプ氏と民主党候補のカマラ・ハリス氏は、いずれも自国の経済論理とラストベルト(衰退した工業地帯)での票を意識して「買収不可」を叫んでいる。米国の最友好国である日本さえも後回しされる状況であり、韓国企業は緊張せざるを得ない。

何よりも企業を不安にさせるのは、政策の不確実性だ。民主党と共和党はいずれも米国優先主義を掲げているが、具体的な経済政策では大きな違いがある。IRAと共に電気自動車(EV)の義務付け政策の廃棄を打ち出したトランプ氏が当選すれば、米政府が約束した税額控除などは水の泡となる可能性が高い。ハリス氏が当選しても、バイデン政権の政策がそのまま続くとは断言できない。ハリス氏は最近、EV義務付け政策を支持しない考えを明らかにしている。

大統領選以降、不確実性が大きくなり投資リスクが拡大したことで、米国に進出した企業は、民主・共和両党を対象に動員可能なチャンネルを総動員するなど独自の対応に乗り出している。企業任せにしておくべきではない。日本は、政府レベルで経済安保関連アクションプランを整備するなど、あらかじめ準備している。韓国も政府と産業界が密接に協力し、業種別、企業別に適合型の対応戦略を練らなければならない。