[オピニオン]フィリピン人ヘルパーに子どもを預けて夜勤する社会は望ましいのか
Posted September. 09, 2024 09:10,
Updated September. 09, 2024 09:10
[オピニオン]フィリピン人ヘルパーに子どもを預けて夜勤する社会は望ましいのか.
September. 09, 2024 09:10.
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香港は51年前の1973年に外国人家事管理士(ヘルパー)制度を導入した。住み込みで通常週6日勤務する彼女らには最低賃金が適用されず、月100万ウォン以内で雇用することができる。費用が安いため、共働き夫婦の利用率が高いという。だからといって、香港の共働き夫婦が外国人家事管理士を好むというわけではない。東亜(トンア)日報が最近、香港現地で会ったケルビン・ウーさん(35)は、外国人ヘルパーを雇う以外に選択肢がなかった。ウーさんは、「法律事務所に勤める妻が出産後、育児のために会社に在宅勤務を申請したが断られた」とし、「健康状態が良くない親に世話になることもできない状況だった」と話した。ウーさん夫妻が本当に欲しかったのは子どもの世話ができる時間で、代わりに世話をしてくれる人ではなかった。ケアサービスの利用価格がいくら安くても、家族でもない見知らぬ外国人と一緒に暮らすのは簡単なことではない。香港のこのような事例を見て、外国人家事管理士制度がむしろ子育ての社会的価値を損ない、長時間の労働を正当化する可能性があると思われた。低コストで育児を外注化できるのであれば、会社は従業員の育児参加を奨励する理由がなくなるのではないだろうか。在宅勤務や通勤時間の調整などの柔軟な勤務を許可する必要がなくなるからだ。実際、外国人家事管理士制度は労働市場参加率を高める効果はあったが、出生率を引き上げるには限界があった。香港では1990年代、中間層の生活水準の向上に伴い、外国人家事管理士の雇用が10年間で3倍に増加した。その結果、5歳未満の子どもを持つ女性の労働市場参加率が15ポイント以上増加した。しかし、2012年に1.28人だった香港の合計特殊出生率は、20年に0.88人で1人を下回った後、昨年は過去最低の0.75人まで落ち込んだ。合計特殊出生率世界最下位の韓国(0.72人)と大きな差はない。香港と同様に、外国人家事管理士制度をいち早く導入したシンガポール(0.97人)や台湾(0.87人)なども昨年、史上最も低い合計特殊出生率を記録した。にもかかわらず、これをベンチマークしようとする韓国は、まさに藁をも掴むような心境のようだ。人口消滅の危機に直面している東アジア諸国には共通点がある。08年にノーベル経済学賞を受賞したニューヨーク市立大学のポール・クルーグマン教授の言葉通り、インスピレーション(inspiration)ではなく汗(perspiration)で経済成長を成し遂げてきたという点だ。そのため、依然として長時間労働が美徳とみなされ、また、会社内の地位や昇進にもつながる。韓国も不必要に長く働きすぎる。経済協力開発機構(OECD)によると、22年基準、韓国労働者の平均労働時間は年間1901時間で、メキシコ、コスタリカ、チリの次に長い。同期間、韓国の労働生産性は1時間当たり49.4ドルで、1位のアイルランド(155.5ドル)の32.8%にすぎない。外国人家事管理士に子どもを預けて仕事に専念できるような社会が果たして望ましいのか。少子化を克服しようとするなら、外国人家事管理士の導入と費用の問題を議論する前に、本質的な方向性を明確に設定する必要がある。欧米先進国のように「偽の労働」を止め、子どもに時間を割くことができる社会へと進まなければならない。
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香港は51年前の1973年に外国人家事管理士(ヘルパー)制度を導入した。住み込みで通常週6日勤務する彼女らには最低賃金が適用されず、月100万ウォン以内で雇用することができる。費用が安いため、共働き夫婦の利用率が高いという。
だからといって、香港の共働き夫婦が外国人家事管理士を好むというわけではない。東亜(トンア)日報が最近、香港現地で会ったケルビン・ウーさん(35)は、外国人ヘルパーを雇う以外に選択肢がなかった。ウーさんは、「法律事務所に勤める妻が出産後、育児のために会社に在宅勤務を申請したが断られた」とし、「健康状態が良くない親に世話になることもできない状況だった」と話した。ウーさん夫妻が本当に欲しかったのは子どもの世話ができる時間で、代わりに世話をしてくれる人ではなかった。ケアサービスの利用価格がいくら安くても、家族でもない見知らぬ外国人と一緒に暮らすのは簡単なことではない。
香港のこのような事例を見て、外国人家事管理士制度がむしろ子育ての社会的価値を損ない、長時間の労働を正当化する可能性があると思われた。低コストで育児を外注化できるのであれば、会社は従業員の育児参加を奨励する理由がなくなるのではないだろうか。在宅勤務や通勤時間の調整などの柔軟な勤務を許可する必要がなくなるからだ。
実際、外国人家事管理士制度は労働市場参加率を高める効果はあったが、出生率を引き上げるには限界があった。香港では1990年代、中間層の生活水準の向上に伴い、外国人家事管理士の雇用が10年間で3倍に増加した。その結果、5歳未満の子どもを持つ女性の労働市場参加率が15ポイント以上増加した。しかし、2012年に1.28人だった香港の合計特殊出生率は、20年に0.88人で1人を下回った後、昨年は過去最低の0.75人まで落ち込んだ。合計特殊出生率世界最下位の韓国(0.72人)と大きな差はない。
香港と同様に、外国人家事管理士制度をいち早く導入したシンガポール(0.97人)や台湾(0.87人)なども昨年、史上最も低い合計特殊出生率を記録した。にもかかわらず、これをベンチマークしようとする韓国は、まさに藁をも掴むような心境のようだ。
人口消滅の危機に直面している東アジア諸国には共通点がある。08年にノーベル経済学賞を受賞したニューヨーク市立大学のポール・クルーグマン教授の言葉通り、インスピレーション(inspiration)ではなく汗(perspiration)で経済成長を成し遂げてきたという点だ。そのため、依然として長時間労働が美徳とみなされ、また、会社内の地位や昇進にもつながる。
韓国も不必要に長く働きすぎる。経済協力開発機構(OECD)によると、22年基準、韓国労働者の平均労働時間は年間1901時間で、メキシコ、コスタリカ、チリの次に長い。同期間、韓国の労働生産性は1時間当たり49.4ドルで、1位のアイルランド(155.5ドル)の32.8%にすぎない。
外国人家事管理士に子どもを預けて仕事に専念できるような社会が果たして望ましいのか。少子化を克服しようとするなら、外国人家事管理士の導入と費用の問題を議論する前に、本質的な方向性を明確に設定する必要がある。欧米先進国のように「偽の労働」を止め、子どもに時間を割くことができる社会へと進まなければならない。
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