世界ランキング1位のヤニク・シナー(23・イタリア)が全米オープンで優勝し、四大大会通算2勝を挙げた。シナーは9日、米ニューヨークのアーサー・アッシュ・スタジアムで行われた全米オープンテニス男子シングルス決勝で、テイラー・フリッツ(27、米国、12位)を3-0(6-3、6-4、7-5)で下した。今年の全豪オープンでキャリア初の四大大会優勝を果たしたシナーは、今回の優勝で四大大会通算2勝目を収めた。今年だけで計6大会で優勝したシナーは、世界ランキング1位でシーズンを終えた。
シナーは「今年の全豪オープンのスタートから競技力が本当に良かったので、今まで自信を持ってやり続けることができた。経験を積みながら成長しているのを感じる。全豪オープンの時よりプレッシャーが大きかったが、うまく消化できたようでうれしい」としながらも、「同時に努力を止めてはならない。今日もすべてが完璧ではなかった。まだもっとうまくやれる余地がある。テニスに終わりはないということをいつも実感している」とし、「私も自分どこまで発展できるの楽しみ」と付け加えた。
同日の決勝で、フリッツは米国のホームファンの圧倒的な応援を受けた。米国男子シングルスは2003年全米オープン優勝者のアンディ・ロディック(42・米国)を最後に21年間四大大会優勝の干ばつに苦しんでいるからだ。テイラー・スウィフトと恋人のトラビス・ケルシーをはじめ、米国の著名人たちが会場のVIP席を埋めた。
しかし、シナーはファーストサーブ成功率88%でフリッツ(68%)を圧倒した。特に、第2、3セットでシナーはファーストサーブを28回試みて100%ポイントにつなげた。ボールがバウンドする高さが相対的に高いハードコートでは、ファーストサーブ成功率が高いほど体力を温存することができ、効率的にポイントを積むことができる。
今季四大大会の最終戦である全米オープンで優勝し、シナーは四大大会初優勝を果たした年に通算2勝を挙げた。これは「ビッグ3」(ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチ)もできなかったことだ。四大大会初優勝を収めた年に通算2勝目を記録した男子シングルス選手は1974年のジミー・コナーズ(米国)と1977年のギリェルモ・ビラス(72・アルゼンチン)の2人だけだ。
今年の男子シングルス四大大会のうち、シナーが優勝した大会を除く残りの大会(全仏オープン、ウィンブルドン)ではカルロス・アルカラス(21、スペイン、3位)がいずれも優勝カップを手にした。年間四大大会の優勝カップを2000年代以降の出生者が獲得したのだ。フェデラーが四大大会で初優勝を挙げた2003年ウィンブルドン以来、ビッグ3のうち1人が四大大会優勝カップを手にしないままシーズンが終わったのは今年が初めて。
アルカラスと1シーズンの四大大会優勝カップを二分したことについて、シナーは「新しいチャンピオン、ライバルが出るのは嬉しいことだ。私をより良い選手にしてくれる。相手が私に勝ったら、私は相手に勝つ方法を何とか見つけなければならない。お互いをさらに発展させているようだ」と話した。
任寶美 bom@donga.com