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頼もしい味方

Posted September. 11, 2024 09:08,   

Updated September. 11, 2024 09:08

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「お母さん、私、ソンオク、お母さん、元気、聞こえる?あ、お母さん、雨が降ってるね」。李濬益(イ・ジュンイク)監督の映画「ラジオスター」で、寧越(ヨンウォル)のMBS放送局にラジオDJとして行くことになったチェ・ゴン(朴重勲)は、かつてスターだった自分がこんなところにいることが気に入らない。そのため、いい加減に放送をし、ラジオブースに喫茶店のコーヒーまで注文する。そしてキム・ヤン(アン・ミナ)にもひとこと言ってみろという。「覚えてる? 私が家を出る時も雨が降ったけど、お母さん、知ってる? お母さんが嫌いで家を出たわけじゃないのよ。あの時は私がお母さんを憎んでいると思っていたけど、今考えてみると、世の中の人はみんな憎いけど、お母さんだけは憎くない。だから私が憎かった」。突然の母親の話に、放送局の人々はもちろん、放送を聴いていた寧越の住民もしんみりした。雨に濡れていく寧越の風景の上に、キム・ヤンの声も次第に濡れていく。「お母さん、私、雨の日はいつもお母さんが作ってくれたパジョンを作ってみるんだけど、あれこれやってみても、あの味が出ないの。お母さん...会いたい、お母さん...お母さん、お母さん...会いたい」。

かつてスターだったチェ・ゴンとマネージャーのパク・ミンス(安聖基)の話を盛り込んだ「ラジオスター」の名台詞は、「自分一人で輝く星はほとんどない」で記憶されている。その台詞は、チェ・ゴンとパク・ミンスの関係を圧縮して説明するもので、世の中から疎外された人々が輝くことができるのも、その話に耳を傾けてくれる誰かがいるからだというメッセージを含んでいる。ところで、「ラジオスター」で最も感動的なシーンを挙げるとすれば、このキム・ヤンのエピソードだ。客地生活が寂しい時に初めて知った、心強い味方。名節がいいのはそのためではないだろうか。世の中がどんなに殺伐としていても、味方は誰にでもいるということ。集まってパジョンでも焼いて食べながら、心を分かち合ってはどうか。