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非公開の大統領主宰「首席秘書官会議」の取材を許可すべきだ

非公開の大統領主宰「首席秘書官会議」の取材を許可すべきだ

Posted September. 12, 2024 09:24,   

Updated September. 12, 2024 09:24

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文在寅(ムン・ジェイン)政権の大統領府では、毎週月曜日、大統領を中心にいわゆる「首補会議(首席・補佐官会議)」が開かれる。会議では秘書官級以上の大統領府参謀たちが一堂に会し、大統領の発言を聞き、懸案事項について発表と討論を行った。筆者も、記者団が交互に順番に入る「フル記者」として、大統領府与民館で開かれた首補会議に入り、大統領の冒頭発言を直接聞き、雰囲気をスケッチした記憶が鮮明だ。

龍山(ヨンサン)に移転した尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府の大統領室に出入りして感じた違いの一つが、名前が変わった「大首秘(大統領主宰の首席秘書官会議)」だ。秘書官級のほとんどが出席するのではなく、首席秘書官中心の少数会議で、非公開で行われるのが文政権の大統領府との違いだ。非公開会議を開いた後、報道官が大統領の主な発言だけをメディアに伝える仕組みだ。9日の大首秘が終わった後に公開されたメッセージは、「尹大統領が秋夕(チュソク・陰暦8月15日)を控えて、未払い賃金、民生物価、救急医療体制の点検に万全を期すよう指示した」という一文がすべてだった。

李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クンヘ)政権でも、大首秘はメディアに公開された。現政権の初期、大統領室にいた関係者に尋ねると、「大首秘が非公開になったのは、ドアステッピング(ぶら下がり取材)のためだった」と説明した。尹大統領がほぼ毎日出勤時に記者と一問一答を行い、メッセージを出したため、大首秘を別途に公開する必要性を感じなかったということだ。尹大統領就任後、61回行われたドアステッピングは、MBC記者の抗議性の質問と大統領室関係者との舌戦などで2022年11月に開始から6ヵ月で中止された。当時、大統領室は、「ドアステッピングは国民との開かれたコミュニケーションのために設けられたもの」とし、「その趣旨を生かすことができる方策があれば、再開するかどうか検討する」と述べたが、1年10ヵ月間再開されていない。

最近、大統領室内部では、庁舎1階にある記者室を庁舎内に建設中の国防広報院の新庁舎に移そうという話も出ている。記者たちのためにより快適な環境を作るというのが名目だが、庁舎内のスペース不足問題を解消し、権力者にとって不快な存在であるメディアと距離を置こうという認識が反映されたものとみられる。

今月初め、尹大統領のハナロマートと救急室の現場訪問に「フル記者」なしで大統領室所属の写真・映像担当者が同行して「専属取材」したことをめぐっても物議を醸した。今年3月、良才洞(ヤンジェドン)のハナロマートを訪問した際に起きた「長ネギ論議」のような論争を根源的に遮断するための措置ではないかということだ。

このような事例を見ると、意思疎通に重点を置いていた龍山のメディア観が次第に変化しているのではないかという雰囲気が感じ取れる。ただ、先月、尹大統領が国政記者会見を開き、四半期ごとの記者会見開催の約束を守ったことは肯定的だ。

2週間に1度大統領が主宰する閣議と共に、大首秘は、週に1度、大統領の考えやメッセージを国民に直接伝えることができる窓口だ。今からでも、過去の政府のように大首秘を報道陣に公開し、尹大統領の発言全文をそのまま国民に伝える方法を検討すべきだろう。任期が半分も残っているにもかかわらず、すでに大統領がメディアへの露出を避けているように映るのは、自信の欠如や「不通」にみられる恐れがある。