「北朝鮮は私を恐れていた」(トランプ前大統領)
「トランプ氏は金正恩(キム・ジョンウン)総書記とラブレターを交換した。独裁者たちはトランプ氏を操れる」(ハリス副大統領)
10日(現地時間)に行われた11月の米大統領選挙に向けたテレビ討論会で、ハリス副大統領とトランプ前大統領は、北朝鮮に対する明確な認識の違いを示した。ハリス氏は、トランプ氏が北朝鮮の金正恩総書記と積極的に交流したことを批判した。一方、トランプ氏は自身が大統領に在任していた時、北朝鮮の脅威は今より少なかったと反論した。ウクライナ戦争についても、トランプ氏は費用負担に言及し、迅速な終結と北大西洋条約機構(NATO)に対する防衛費の引き上げを、ハリス氏はウクライナの領土保全と同盟国であるNATOの価値を強調した。
外交・安全保障分野の討論で先制攻撃を仕掛けたのはハリス氏だった。ハリス氏は、「副大統領として世界中を回ったが、世界のリーダーたちはトランプ氏のことを笑っている」と述べた。これに対し、トランプ氏は、「ストロングマンであり、尊敬される世界のリーダーであるハンガリーのオルバン首相の表現を借りたい」とし、「中国、北朝鮮、ロシアは私を恐れている」と述べた。そして、「北朝鮮で今何が起きているのか見よ」と述べ、バイデン政権下で北朝鮮の核の脅威がより大きくなったという趣旨の反論をした。
ハリス氏は、「トランプ氏が独裁者を尊敬し、就任初日から独裁者になりたいというのはすでによく知られている事実」とし、トランプ氏を「独裁者志望者」に追い込んだ。また、「トランプ氏が正恩氏とラブレターを交換したことはよく知られている」とし、「独裁者たちがトランプ氏が大統領になることを応援するのは、お世辞などでトランプ氏を操れることがはっきりしているからだ」と強調した。
ウクライナ戦争に対する見解の違いも明らかだった。トランプ氏は「当選すれば、就任前にウクライナ戦争を終わらせる」と述べた。そして、「戦争終結が米国の利益だ」とし、「NATOで米国が損をしていたが、私が大統領になって変わった。28ヵ国が国防費を引き上げた」と強調した。
一方、ハリス氏は、「トランプ氏が24時間以内に戦争を終わらせることができると言うのは、トランプ氏が戦争を放棄するからだ」と反論した。また、「もしトランプ氏が大統領だったら、いまごろプーチン大統領がキーウに居座っていただろう」と述べた。
崔智善 aurinko@donga.com