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北朝鮮が73日ぶりにミサイル発射、「オクトーバーサプライズ」始動か

北朝鮮が73日ぶりにミサイル発射、「オクトーバーサプライズ」始動か

Posted September. 13, 2024 08:50,   

Updated September. 13, 2024 08:50

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北朝鮮が12日午前、平壌(ピョンヤン)付近から短距離弾道ミサイル(SRBM)数発を発射し、東海(トンへ・日本海)上に360キロほど飛ばした。発射方向を南に向ければ、ソウルや大田(テジョン)など大都市と主要軍事施設を攻撃できる射程だ。北朝鮮の弾道ミサイル挑発は、7月1日に4.5トン級の超大型弾頭を搭載したと主張した新型戦術弾道ミサイルの発射実験から73日ぶりだ。

しばらく沈黙していた北朝鮮が弾道ミサイル挑発を再開したのは尋常ではない。先月、韓米両国が大規模な合同軍事演習を実施したにもかかわらず、北朝鮮は各種ミサイル挑発で対応しなかった。7月末に発生した水害の復旧に追われて余裕がないという見方があったが、最近、「ゴミ風船」を相次いで飛ばしたほか今回のミサイル発射で、再び複合的な挑発に出たようだ。ロシアと中国が東海とオホーツク海で合同訓練を開始したことと無関係ではないようだが、北朝鮮の狙いはもっと遠くにあるようだ。

今回のミサイル挑発は、11月5日の米大統領選挙を前に行われたハリス副大統領とトランプ前大統領のテレビ討論会の翌日に行われた。テレビ討論会で北朝鮮と金正恩(キム・ジョンウン)総書記が少し言及されたが、他の争点に隠れて浮き彫りにはされなかった。北朝鮮の核問題は米国の対外政策でも後回しにされた関心外の問題であることが確認されたわけだが、北朝鮮は、過去の選挙のたびにそうであったように、武力示威を通じて存在感を誇示し、「身代金」を引き上げる絶好の機会を逃すはずがない。

これまで、北朝鮮は米国との対話を徹底して拒否し、新冷戦の気流に素早く乗った。中国・ロシアに密着し、両国の庇護を受けたが、北朝鮮が望む事実上の核保有国の地位を得るには、米国との交渉が避けられない。正恩氏が先月初め、約3年ぶりに「対話」という言葉を使ったのも、新たに発足する米政権との対話を念頭に置いたからだろう。そこには、現在の超接戦では北朝鮮の変数が勝負を分ける可能性があるという計算もある。

このため、バイデン政権は以前から北朝鮮とロシアの共同による「オクトーバーサプライズ」、つまり10月のサプライズ挑発の可能性を警戒しており、最近の韓米間の拡大抑止の高官級会議でも、「大統領選前後の重大挑発の可能性を排除できない」と強調した。大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射や7回目の核実験のような大型挑発が果たして米大統領選にどれだけの影響を与えるかは疑問だ。だが、それとは別に韓米同盟は、予想される挑発シナリオ別に対応プランを樹立し、徹底的に備えなければならない。