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AI、米大統領選挙、景気低迷…韓国を揺さぶる3つのキーワード

AI、米大統領選挙、景気低迷…韓国を揺さぶる3つのキーワード

Posted September. 13, 2024 08:50,   

Updated September. 13, 2024 08:50

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韓国時間の11日午前、太平洋を越えて米国で行われる大統領選挙の討論に、韓国の大手企業グループの戦略担当者たちは成り行きを注視しながら忙しい時間を過ごしたという。主要企業の役員は、「カマラ・ハリス副大統領が当選すれば、補助金がかかっているインフレ抑制法(IRA)が維持される可能性が高いだろうが、法人税引き上げの可能性もあり、検討しなければならない課題が一つや二つではない」と打ち明けた。米大統領選という波のほか、国内政治と国際政治やマクロ経済、産業需要のすべてが霧の中だという意味だった。

半導体と自動車が韓国の輸出に大きく貢献し、先月の輸出額は579億ドルで8月基準に過去最高を記録したが、三星(サムスン)やSKなど上位4グループはじめ大手企業の懸念はさらに深まる様子だ。実際、全体輸出の20%を占める半導体を除けば、業績が悪化した企業は一つや二つではない。東亜(トンア)日報が売上上位100企業の上半期(1~6月)の半期報告書を分析した結果、三星電子とSKハイニックスを除いたバッテリーや鉄鋼、航空部門の代表的な企業の営業利益は前年に比べて大幅に減っていた。

財界は特に、海外発「不確実性」の3つの嵐として米大統領選や景気低迷、人工知能(AI)のバブル説を挙げている。米大統領選で民主党と共和党の候補のうち誰が当選しても、米国優先主義は強化される見通しだ。米国優先主義が台頭した背景には、中間層の危機がある。中国産低価格商品が溢れ、米国の製造業が揺れると、中西部の労働者階層の不満が高まった。今後、米国投資の圧力や中国との対立局面は強化されざるを得ないという意味だ。すでにバイデン政権下で104兆ウォンの投資を約束した上位4グループに、さらに多くの投資の圧力と貿易規制が伴う可能性がある。

世界経済の減速、さらには景気低迷の兆しが見えるのも懸念される。世界最大市場の米国と中国の低迷への懸念から、グローバル企業の大規模な人員削減の可能性も浮上している。大規模な人員削減は世界消費者の懐事情が厳しくなるという意味だ。すでに内需景気が冷え込んでいる韓国の輸出の柱である自動車やスマートフォン、家電、テレビなどまでが打撃を受けかねない。

金利高や物価高に不安だった世界経済を動かせたAI投資のブームまでが、「バブル説」が浮上し不確実性に振り回されている。寝て起きれば、NVIDIAをはじめとするAI関連企業の株価が高騰し、翌日に暴落する動きが繰り返されている。

米大統領選や世界経済の低迷、AI投資の減速は、相互作用を起こしかねないということで、その影響はなおさら恐ろしい。世界経済の低迷に見舞われば、米国優先主義の圧力はより一層強くなるだろうし、米中間対立が激しくなればAI発の「半導体の春」は急激に冷え込むだろう。景気低迷で輸出が打撃を受ける時は、半導体に頼ることもできなくなる。半導体やスマートフォン、家電事業を全て抱えている三星(サムスン)電子に対し、国内証券会社各社が一斉に目標株価を下方修正し始めた理由だ。

急激にマクロ環境が変わっているが、まだ政府や政界には実感がないようだ。代表的に国内の経済8団体が声を一つにして最近の商法改正案などに懸念を示しているが、すぐ葬られる雰囲気だ。半導体法や電力網の拡充など明確な支援策もない。嵐が来てから対策を考え始めては、もう手遅れだ。