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北朝鮮が「核の心臓」公開、フル稼働で核弾頭年間10発生産

北朝鮮が「核の心臓」公開、フル稼働で核弾頭年間10発生産

Posted September. 14, 2024 09:20,   

Updated September. 14, 2024 09:21

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北朝鮮が13日、核兵器生産の「心臓部」である高濃縮ウラン(HEU)製造施設を初めて公開した。韓米当局は、北朝鮮が電撃公開した場所が平安南道(ピョンアンナムド)の降仙(カンソン)団地内の施設である可能性が高いと見る一方、平安北道(ピョンアンプクト)の寧辺(ヨンビョン)内に新たに拡張した核施設の一部または第3の場所である可能性も排除していない。韓国軍消息筋は、「すでに知られている寧辺、降仙の核施設だけ『フル稼働』しても、北朝鮮は年間最大10発程度の核弾頭を確保できるとみられる」との認識を示した。

北朝鮮の朝鮮中央通信など官営メディアは同日、数多く並んだ遠心分離機など核物質生産施設を公開した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は施設を視察し、「本当にここは見るだけで力が出る」とし、「遠心分離機の台数を増やすとともに、遠心分離機の個別分離機能をさらに高めるように」指示した。また、「完成段階にある新型遠心分離機の導入事業も計画通りに進め、兵器級核物質生産の基盤をさらに強化せよ」と述べた。

遠心分離機は、核開発の過程でウラン核燃料生産に重要な役割を果たす装備だ。軍消息筋によると、北朝鮮は寧辺と降仙だけで遠心分離機を1万~1万2千台ほど保有しているという。通常、2千台の遠心分離機で年間約40キロのHEUを生産できることを考慮すると、毎年200~240キロのHEUを確保できることになる。核弾頭1発を作るのにHEUが約25キロ必要なため、北朝鮮はHEUだけで毎年8~10発の核弾頭を生産できることになる。政府消息筋は、「北朝鮮が秘密のウラン濃縮施設を1、2つ以上運営している可能性もある」とし、「その場合、核弾頭生産量がさらに増える可能性がある」と指摘した。

2010年、北朝鮮は米国の核物理学者シグフリード・ヘッカー博士を寧辺に招待してウラン濃縮施設などを見せたことはあるが、今回のように対外に全面公開したのは初めてだ。そのため、米大統領選挙を53日後に控えて米国に対して存在感を示すと共に、今後の対米交渉まで念頭に置いて「身代金」を最大限引き上げる狙いがあると分析されている。韓国情報当局は、すでに戦術核弾頭の小型化・標準化に成功した北朝鮮が事実上、核実験の準備を完了した状態にあると見ている。情報当局者は、「豊渓里(プンゲリ)核実験場もいつでも核実験ができるように復元が終わった」と伝えた。


申晋宇 niceshin@donga.com