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「工事費代納」の強要まで…龍山への拙速移転が招いた伏魔殿

「工事費代納」の強要まで…龍山への拙速移転が招いた伏魔殿

Posted September. 21, 2024 10:01,   

Updated September. 21, 2024 10:01

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大統領警護処幹部のチョン某氏は、2022年5月と6月に警護処長公館の補修工事を予算が確保されていない状況下で別途の契約手続きなしにA氏に任せ、工事費をまた別の事業者のキム某氏に代納させた疑惑などで検察から取調べを受けている。キム氏は、チョン氏と親交があり、16億3000万ウォンの大統領執務室の「防弾建具」の工事を担当した事業者で、チョン氏が工事の欠陥を指摘して全面的な取り換えを要求すると、1億7600万ウォンの警護処長公館の補修工事の代金を代納したという。

監査院は昨年10月、「キム氏が大統領執務室の防弾建具の工事費用を5倍以上に水増しした見積書を出しても工事を引き受けた」として、検察に捜査を依頼した。監査院は、キム氏に随意契約で工事を任せたチョン氏も一緒に捜査を依頼した。検察の取り調べの結果、チョン容疑者はかつて、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の梁山(ヤンサン)私邸工事や朴槿恵(パク・グンへ)元大統領の大邱(テグ)私邸工事などをキム氏に任せて工事代金を1億ウォンほど騙し取り、7000万ウォンほどを収賄した容疑も持たれている。

チョン容疑者は検察の取り調べで、「大統領室の移転日程が迫っており、やむを得なかった」という趣旨で供述したという。検察は、警護処長公館の工事は急がれなかったと主張しているが、それならなぜチョン容疑者が自分の利益にもならない代納を要求したのか説明できない。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は当選者時代、大統領室を光化門(クァンファムン)に移すと豪語しておきながら、これがうまくいかないと、突然龍山(ヨンサン)に変えた。また、500億ウォンなら移転が完了するかのように話したが、昨年まで140億ウォンが追加されたことが分かった。チョン容疑者個人の過ちのほかに、予算を十分に確保できない状態で、就任日程に合わせて工事を推進したために起こったことも無視できない。

大統領官邸の移転も拙速に推進された。最初は陸軍参謀総長公館に移転すると言っていたが、突然外交部長官の公館に変わった。監査院の監査で、官邸のインテリア工事を受注した会社が、よりによって金建希(キム・ゴンヒ)夫人が代表だったコバナコンテンツの展示スポンサーの1社であり、この会社が下請けに出した18社のうち15社が無資格の会社であることが明らかになった。これも随意契約であり、疑惑だらけだ。

差し迫った日程に合わせてぎりぎりの予備費で工事を推進すれば、様々な不正が生じる可能性が大きくなる。随意契約ではなおさらそうだ。大統領室と官邸移転過程における違法と脱法行為を、より徹底的に取り調べして明らかにする必要がある。