20日、首都圏で70代の高齢ドライバーが引き起こした交通事故が相次ぎ、2人が死亡するなど死傷者が相次いだ。高齢ドライバーが急増し、関連事故も続いているだけに、免許返納のインセンティブを拡大するなどの対策が急がれるという指摘が出ている。
20日、ソウル江北(カンブク)警察署によると、同日午前10時32分ごろ、江北区弥阿洞(ミアドン)のハンバーガー店に、黒いジェネシス乗用車が突っ込んだ。この事故で歩道を歩いていた80代の女性1人が心肺蘇生法(CPR)を受けて城北区(ソンブクグ)の病院に運ばれたが死亡し、70代の運転手など5人が負傷した。ドライバーは鼻の骨が折れて病院で治療を受けており、残りの4人は軽い負傷を負ったという。警察の取り調べの結果、この車両は走行途中に突然突進し、道路中央の鉄製フェンスと街路樹に衝突後、商店街に突進した。
同日午前4時55分ごろ、京畿道高陽市一山東区城石洞(キョンギド・コヤンシ・イルサン・ドンク・ソンソクドン)の道路では、70代のドライバーが運転していたコランド・スポーツ用多目的車(SUV)が、リヤカーに古紙を入れて引いていた60代の女性に衝突し、死亡させる事故が起きた。この女性は、車両の光を反射して歩行者を保護する蛍光ベストを着ていたが、運転手は警察の取調べで、「リヤカーを見なかった」と供述したという。ドライバーは飲酒状態ではなかったことが分かった。
同日午前8時17分ごろ、京畿道龍仁市処仁区麻坪洞(ヨンインシ・チョイング・マピョンドン)では、70代の男性が運転していた乗用車が歩道に突っ込み、50代の女性歩行者が骨折などの重傷を負って病院に運ばれた。このドライバーは、信号のない交差点を走行していたところ、左から直進してくるワゴン車を避けるためにハンドルを回していたところ、歩道に突進したことが分かった。
高齢ドライバーの事故と関連して、ソウル市と国民権益委員会は20日、高齢者運転免許制度の改善案を議論する討論会を開いた。討論会でソウル大学環境大学院のハン・サンジン教授は、「年代別に免許返納にともなうインセンティブに差をつけなければならない」とし、「農村よりは都市居住高齢者の運転免許の返納に加重値を置かなければならない」と明らかにした。政府と地方自治体が検討するに値する政策としては、条件付き免許制度や歩行者安全施設の強化などが挙げられた。
チュ・ヒョンウ記者 高陽=ソ・ジウォン記者 woojoo@donga.com