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否定的意見のリポート発表前に大量売却したモルガン・スタンレー、疑惑を徹底的に調べるべきだ

否定的意見のリポート発表前に大量売却したモルガン・スタンレー、疑惑を徹底的に調べるべきだ

Posted September. 23, 2024 09:33,   

Updated September. 23, 2024 09:33

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先週、外資系投資銀行(IB)モルガン・スタンレーが出した否定的な意見の報告書の衝撃で、三星(サムスン)電子やSKハイニックス半導体の株価が急落する騒ぎがあった。その影響で、米連邦準備制度理事会(FRB)が基準金利を0.5%も下げた大型好材料にもかかわらず、韓国株式市場は肯定的効果が現われなかった。モルガン・スタンレー側が報告書発表2日前に、SKハイニックスの大量売り注文を出したことについて、「先行売却」の疑惑まで持ち上がっている。

モルガン・スタンレーは15日、「冬が訪れる」という見出しの報告書の中で、SKハイニックスの目標株価を従来の26万ウォンからその半分に及ばない12万ウォンに、三星電子は10万5000ウォンから7万6000ウォンに急激に下げた。汎用Dラムの需要不振や高帯域幅メモリ(HBM)の供給過剰の可能性を理由に、わずか3ヵ月前に出した見通しを180度覆したのだ。報告書の影響で、秋夕(チュソク=陰暦8月15日の節句)連休後の初開場日に、SKハイニックスは6.14%、三星電子は2.02%急落し、時価総額は15兆ウォン以上蒸発した。

最近、Dラム半導体価格の上昇傾向が折れたのは事実だ。しかし、エヌビディアの人工知能(AI)チップセットなどに入る韓国製高付加価値のHBMは、すでに来年の生産予定物量まで全て売れた状態だ。報告書の悲観論が誇張されたという指摘が出る理由だ。モルガン・スタンレーは以前にも韓国半導体企業の展望を急激に下げたことがあるが、2017年の否定的展望は、その年と翌年に三星電子が史上最大の業績を上げたことで完全に間違っていることが分かった。

特に、金融監督院と韓国取引所は、モルガン・スタンレー・ソウル支店が13日、SKハイニックスの株式101万1719株の売り注文を成立させたことについて詳しく調べている。資本市場法では、証券会社などが特定金融商品の調査分析資料を発表する場合、その内容を確定した時から公表後24期間が過ぎる前まで該当商品を自分のアカウントで売買することを禁止している。報告書発表前にあらかじめ成立させた売り契約に、モルガン・スタンレーの資金が一部でも含まれていたとすれば、先行売買で違法となる。

米中の景気後退への懸念とモルガン・スタンレー報告書の影響などが重なり、この1ヵ月間、三星電子やSKハイニックスの時価総額は117兆ウォンも減少した。韓国株式市場における外国人投資家の割合は33%で、7ヵ月ぶりに最低となっている。いざ景気後退を懸念して金利を引き下げた米国の株式市場は上昇の勢いを見せている。根拠の薄い悲観論が勝手に揺さぶるように放置しては、韓国株式市場のバリューアップ(企業価値の向上)は実現し難い。株式市場を撹乱する不健全な行為は、最後まで捜し出して処罰しなければならない。