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民間人は軍事司令官になれるか

Posted September. 24, 2024 08:55,   

Updated September. 24, 2024 08:55

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劉備が三顧の礼を尽くして経験の浅い諸葛亮のスカウトに成功して諸葛亮に軍事指揮を任せると、関羽と張飛は激怒する。この話は小説の設定だが、本当にこのような状況が起きたら、果たして諸葛亮を認める人がいるだろうか。実際は、諸葛亮は文武を兼ね備えたリーダーが夢であり、軍事指揮にも欲を出したが、小説とは異なり、劉備が引き止めた。

メジャーリーグのセントルイス・カージナルスの名監督だったトニー・ラルーサは、弁護士出身でメジャーリーグを制覇したことで有名になったが、実は彼は元メジャーリーガーだった。取るに足りない成績で選手生活を終えた後、弁護士になったのだ。スポーツであれ戦争であれ、激しい勝負の世界、それもトップクラスの勝負に諸葛亮のように全く実戦経験のない人がリーダーになれば、将帥は反発し、兵士と国民は不安になるだろう。

ソクラテスが生きていた時代に、このようなことが実際に起こった。アテネは市民投票で司令官を選出したが、ニキマキデスという逆転の将帥がアンティステネスという金持ちで機転の利く経営者として有名な人物に負けてしまった。金権選挙が横行していた時代なので、アンティステネスの財力が威力を発揮したのかもしれない。そこでさらに憤慨したニキマキデスがソクラテスに出会った。アテネの良心であり知恵であるソクラテスは、アンティステネスが立派な指揮官になれると言う。

ソクラテスの持論はこうだ。有能な人材を見つけ出し、適材適所に登用し、国家のために自分の努力と財産を供与し、賞罰を公正に行い、部下の人望を得ることは、リーダーの共通の美徳であり義務である。

現代の軍隊は古代ギリシャの軍隊とは違う。いくらソクラテスが言ったとしても、民間人が軍事指揮官になることはできない。しかし、古代アテネで司令官になるということは、まさに政治指導者になることを意味した。ソクラテスの時代、アテネは没落していた。ソクラテスの真意は、没落した社会を救うリーダー像にあった。当たり前の美徳だと思ってはいけない。世界を見渡せ。このようなリーダーがどこにいるだろうか。