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人生の秋

Posted September. 25, 2024 09:09,   

Updated September. 25, 2024 09:09

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「おじさん、おじさんはなぜ私を見ると笑うの」(映画「八月のクリスマス」)

許眞浩(ホ・ジンホ)監督の映画「八月のクリスマス」で、タリム(シム・ウンハ)はジョンウォン(ハン・ソクキュ)に尋ねる。駐車違反取締員のタリムは、違反車の写真を現像するためにジョンウンが営む写真館を頻繁に来店し、ジョンウォンに特別な感情を抱くようになる。ジョンウォンも同じだ。そのため、知らず知らずのうちについ笑みがこぼれる。無表情だった暮らしに咲いた笑い。しかし、彼はそうすればするほど苦しくなる。余命宣告を受けたからだ。

タリムに出会うまでジョンウォンは余命宣告された人生を受け入れていた。それはまるで、幼い頃、誰もが去った空っぽの運動場に一人残された時の感情と同じようなものだった。母親も父親も、そして自分もいつかそうやって消えていくのだと受け入れていた。しかし、彼の人生に突如現れたタリムに対する感情が芽生え、ジョンウォンの心は揺れ動く。酒に酔って友人に冗談のように自分がもうすぐ死ぬと言ったり、警察署で静かにしろと言われ、なぜ自分が静かにしていなければならないのかと叫ぶ。人生への期待は、「希望拷問」のように彼を押しつぶす。

死を目前にした生。私たち皆に限りがある。だから消えていくのは自然なことだ。しかし、その自然なことが辛くなるのは、愛するようになった存在との別れのためではないだろうか。ジョンウォンは結局、その別れを受け入れる。愛を抱いて去ることができるようにしてくれたタリムに感謝し、静かに一人で去る。人生が美しいのは、いつか消えていくからだろう。笑うことのなかったジョンウォンが、タリムを見て何度も微笑んだことも。また、一つ、二つと落ちて積もる落ち葉が、私たちの心を惹きつけることも。美しく悲しい1本の映画が恋しくなる秋の始まり。9月の終わり、暑かった夏がいつの間にか過ぎ去りつつある。