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若者に痛みを押し付ける「対症療法」改革、医療だけなのか

若者に痛みを押し付ける「対症療法」改革、医療だけなのか

Posted September. 27, 2024 09:52,   

Updated September. 27, 2024 09:52

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秋夕(チュソク・陰暦8月15日)連休直前に、いわゆる「ビッグ5」専攻医代表らが、専攻医約1万人の集団辞職教唆の疑いで警察に次々に出頭し、参考人聴取を受けた。警察の主張通り集団行動であれ、専攻医の主張通り自発的な選択であれ、一斉に患者のそばを離れたことは職業倫理上、批判されて当然だ。しかし、取材陣への彼らの弁明を聞くと、専攻医の集団辞職を個人主義的なMZ世代の「寝そべり主義」で片付けるには、その怒りは当然であり、挫折感は深かった。

サムスンソウル病院の専攻医代表のキム・ユヨン氏は11日、「いつ病気になっても上級病院でVIP待遇を受ける権力者が、医療懸案、医療政策を決定することに憤る」と話した。震える声の合間に憤りのため息が漏れた。麻酔科専攻医として金にならない小児麻酔専門医を夢見たが、その夢を断念したと話した。病院で昼夜を問わず働いていた大韓民国の若者というハン・ソンジョン・ソウル峨山(アサン)病院の専攻医代表は、「未来世代を踏みにじる一方的な改革は失敗するほかない」とし、カトリック中央医療院専攻医代表のキム・テグン氏は、「現政府の政策は若い世代に多くの責任を押し付けている」と話した。彼らは、医学部2千人増員が既成世代の既得権を守りながら、若者世代を搾取する「偽の改革」ではないかと問いかけている。

1977年に初めて導入された国民健康保険は、「低負担、低報酬、低保障」で設計された。国と国民が貧しかった時代なので、保険料と診療報酬を低く設定する代わりに、保障範囲を最小化した。これまで歪んだ診療報酬の風船効果で必須医療の忌避現象が深刻化し、歴代政権で保障の強化を叫び、健康保険は徐々に壊れていった。専攻医たちは、この古いシステムにメスを入れずに医師の数を増やす一時しのぎのやり方に抵抗しているのだ。

持続可能でない医療システムを支えたのは、研修という名目で安い賃金に堪える専攻医だったという事実が、今回の「医・政」対立の中で明らかになった。彼らは保険料の引き上げという政治的負担を負わない政府も、「医学部の教授は搾取の中間管理者」と言われるように制度に順応して利益を独占した先輩医師も信用できないと話す。医学部増員で鎮痛剤を打って今日を乗り切るのが医療改革の本質だと判断した。

それでも専攻医は医師免許を持っているからこそ、7ヵ月以上も休職し、再就職して声を上げることができた。激しい生存闘争が繰り広げられている韓国社会で、抵抗する権利を享受できるのも特権かもしれない。既成世代が作った社会制度の中で窒息し、悲鳴を上げることすらできない若者ははるかに多い。

正規労働者10%が賃金と福祉を独占する労働市場の二重構造の下で、良質の仕事を探そうとする若者の就職戦争は涙ぐましい。政府の労働改革は、このような核心には手をつけず、週52時間制改編のような枝葉的な課題すら回避している。若者世代に借金だけを残すことになる年金はどうか。4月、保険料率と所得代替率を引き上げる国会の母数改革案を蹴り、税金泥棒の基礎年金の引き上げを前面に押し出した政府改革案を発表した。

年間の出生数が20万人台に減ったのに、「産業戦士」の大量生産に合わせた教育は最も深刻だ。教授や教師の反発を招くような構造調整ではなく、大学入試制度のような方法だけを変えて学生を愚弄する。そのくせ、教育発展特区の導入といった改革のふりだけする。

ソウル大学病院の専攻医代表のパク・ジェイル氏は、今回の医療改革について、「大韓民国に汚点として残るだろう」と話した。未来世代に息吹を吹き込むより、強固に築かれた既得権を迂回しようとする4大『対症療法』改革がすべてそうではないか。それさえも止まっているのが現状だ。