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韓日の拉致被害者家族「時間があまりないので助けてほしい」

韓日の拉致被害者家族「時間があまりないので助けてほしい」

Posted September. 27, 2024 09:55,   

Updated September. 27, 2024 09:55

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「私たちの後ろには南北の家が展示されていて、2つのセットの間の壁は分断を象徴しています。この空間は、単なる部屋を越えて、それぞれ違う人生を象徴したりもします。また分断の向こうの家族が愛する人を記憶する方法でもあります」

第79回国連総会が開催されている米ニューヨーク・マンハッタンに25日(現地時間)、南北家庭の様子をそれぞれ模したセット場が設置された。その前に置かれた椅子で、北朝鮮により家族を失った5人の人々は、それぞれ震える声で1時間にわたって自分たちの話を聞かせた。この日、非営利団体コリアソサエティが行った北朝鮮人権懇談会「私を忘れないで(Forget Me Not)」では、韓国と日本の拉致被害者および抑留者の家族が舞台に上がり、北朝鮮の人権侵害状況について声を高めた。

脱北者のソン・ミョンファ氏は、数十年間、北朝鮮の炭鉱で強制労働に苦しみ、死亡した国軍捕虜の父親の話を伝えた。ソン氏は、「父親の遺言により、2013年に遺体を韓国に連れてきたが、その代価として兄と弟、甥を政治犯収容所に送られなければならなかった」と涙声で話した。キム・ギュリさんは、「私は1998年に脱北したが、弟は昨年、中国から強制送還された」とし、「弟を探せるように、どうか国際社会が助けてほしい」と震える声で訴えた。

同日の懇談会には、1978年に日本の海辺で北朝鮮に拉致された日本人・増元るみ子さんの弟の増元照明さん、2013年に宣教活動中に北朝鮮に捕まったキム・ジョンウク宣教師の兄のキム・ジョンサムさんも参加し、家族が切実に待つ姿を伝えた。懇談会に参加した数人の僑民も、「私も北朝鮮に家族がいる」と事情を伝え、一緒に国際社会の助けを訴えた。

同日の懇談会には、趙兌烈(チョ・テヨル)外交部長官をはじめ、ジュリー・ターナー米国務省北朝鮮人権特使、ダフナ・ランド国務省民主主義・人権・労働担当副次官補が共に参加した。趙長官は、「『私を忘れないで』という文句は、人権蹂躙の被害者たちの切実な訴えであり、北朝鮮住民たちの声のない叫びだ」とし、「北朝鮮に抑留されている愛する家族のために、絶えず闇の中で消息を伝えている方々の犠牲と勇気に感謝申し上げる」と話した。さらに、「この70年余りの間、我が民族は二つに分かれ、自由人権と民主主義の有無が人間にどのような影響を及ぼすのか残忍な社会実験を経験してきた」とし、「11月にある北朝鮮人権定例検討で、北朝鮮の人権状況だけでなく非転向長期囚、国軍捕虜、強制送還された脱北者問題に対する懸念を強く表明する」と明らかにした。

ランド副次官補は、「離散家族の大半は80代後半から90代の高齢層だ」とし、「時間があまり残っていないという切迫を感じており、条件なしに北朝鮮と交渉テーブルに戻るために最善を尽くしている」と話した。


林雨宣 imsun@donga.com