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認知症の祖母、ユーチューブではスター

Posted September. 28, 2024 10:04,   

Updated September. 28, 2024 10:04

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母親を助けて認知症の祖母の世話をしていた孫娘は、ある日、祖母の姿を映像に撮り始めた。母親と家事を分担し、辛くても頑張ろうと自分に言い聞かせたが、暗く長いトンネルを歩くような絶望感に襲われた時だった。

祖母の介護が辛くて大泣きし、悔しさと窮屈さを感じていた時間。「私がやりたいことをするのは、祖母が亡くなってからだろう」という思いは、「祖母はいつ亡くなるのだろうか」という思いにつながり、やがて罪悪感にさいなまれた。このままではいけないと思い、孫娘はユーチューブチャンネルを開設し、祖母を記録することにした。

介護の対象としてしか考えていなかった祖母がカメラの前で自己紹介をし、「悲しければ悲しいなりに、良ければ良いなりに」生きるようにと言葉をかける姿を見て、孫娘は気づいた。たくましかった祖母は、耳が遠くなり、記憶力も悪くなり、次第に会話らしい会話ができなくなり、孤独と孤立に陥っていたことを。記憶に残したい祖母を映像に収めることにして毎週悩んだ結果、3人の日常は不安と心配から愛情と賛辞に変わり始めた。

同書は、14万人のチャンネル登録者に愛されるユーチューバー「ロングロングTV」がどのように祖母の姿を撮り始めたのか、その過程を記したエッセイだ。3人の和やかな姿と温かいストーリーに、視聴者は愛に満ちた家族だとか、おとぎ話の中から飛び出したような人たちだとうらやましがるが、実はその裏側には、母と祖母の間の解けないわだかまりなど、数多くの困難を乗り越えていく過程があったことを知ることができる。ユーチューブを通じて祖母のポジティブな姿を共有してから、祖母の認知能力も少しずつ改善され、疎遠だった親戚たちも再び祖母を訪れ始める。愛情のある温かい関係は自然に与えられるものではなく、互いの真心を信じて試行錯誤を繰り返しながら努力した結果、得られるものであることを、著者は自身の率直な告白を通して伝えている。


金民 kimmin@donga.com