「空気を読まない」石破氏、岸田氏より難しい
Posted September. 30, 2024 09:28,
Updated September. 30, 2024 09:28
「空気を読まない」石破氏、岸田氏より難しい.
September. 30, 2024 09:28.
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日本の次期首相である与党自民党の石破茂総裁に会ったのは6年前だ。海外研修で日本の早稲田大学に訪問研究員として滞在していた2018年11月、石破氏が特別講演のために早稲田大学のキャンパスを訪れた。同年10月、韓国大法院(日本の最高裁判所に相当)が韓国人元徴用工賠償判決を確定し、韓日関係が最悪の状態に陥った時だった。石破氏としては2ヵ月前の自民党総裁選挙で安倍晋三元首相に敗れ、暗中模索していた時だった。「元徴用工判決で冷え切っていた日韓関係をどのように管理するのか」、最前列の席で研究者の資格で質問を投げかけた。数秒間考えていた石破氏が口を開いた。「判決は国際法的に間違っている。しかし、合法であっても独立国だった韓国を併合し、(朝鮮半島出身者の)名字を変えることが行われた。そういう歴史があったことをどれだけ認識するかだ」。会場には冷ややかな空気が漂った。2時間にわたる講演と質疑応答のうち、この部分だけが翌日日本メディアに報道され、韓国にも伝えられた。その日のエピソードを日本人に話すと、2つの反応がある。日本では誰も韓日関係を口にすることができなかった時にストレートに質問を投げかけたことへの驚きが1つ目の反応だ。自民党が「韓国叩き」に躍起になっていた時に、与党の有力政治家として韓国を知らなければならないと言ったことへの驚きが2つ目反応だ。「空気を読む」という表現があるほど、雰囲気の把握が重要な日本社会で、「空気を読まない」研究者と政治家の問答は、6年が経ち、新首相の韓国関連発言で再び注目されている。自民党の保守強硬派が「嫌韓扇動競争」を繰り広げていたこの十数年間、石破氏は韓国を知ろうとした数少ない政治家だった。石破氏は、過去の講演で「もしも日本が他国に占領され、『今日から君はスミスさんだ』と言われたらどう思うか」と述べたという。「次世代に謝罪する宿命を背負わせない」(2015年の安倍談話)と加害責任に口を拭う安倍氏とは明らかに違う。しかし、周囲の目を気にせず言いたいことを言う石破氏の就任後の第一声は「アジア版北大西洋条約機構(NATO)」の創設だ。「韓国叩き」に同調しなかった石破氏は、これまでのタブーも気にしない。東アジアへの関与に一定レベル以上を超えないようにする米国の目も、海洋進出を強化する中国の圧力も気にせず、言いたいことを言うという立場だ。核の持ち込みを公然と主張し、「核兵器は作らず、持たず、持ち込ませず」という60年間の「非核三原則」も捨てる構えだ。4年7ヵ月間外相を務めた「外交の達人」岸田文雄首相と防衛政務職だけ3度務めた「防衛専門家」石破氏は違う。韓国にとってはより難しいカウンターパートだ。石破次期政権が過去に果敢に前向きな立場を取り、集団防衛体制への参加を提案したらどうなるだろうか。歴史問題は手を取り合い、「アジア版NATO」から手を引くという選択は可能だろうか。在韓米軍を駐留させる米国が受け入れるだろうか。韓国はこれまでとは次元の違う挑戦に直面している。日本は、ウクライナと中東の2つの紛争で苦慮している米国に食い込み、「日米同盟を軸にしたアジアの集団安全保障体制の構築」を主張する政治家をリーダーに据えた。私たちには、眉をひそめるほどナイーブな対日認識の現政権と「中国にも『謝謝(感謝)』、台湾にも『謝謝』すればいい」という野党以外に選択肢がない。状況把握すらままならない政界を眺める国民の背には冷や汗が流れていることを韓国の政治家たちは知っているのだろうか。
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日本の次期首相である与党自民党の石破茂総裁に会ったのは6年前だ。海外研修で日本の早稲田大学に訪問研究員として滞在していた2018年11月、石破氏が特別講演のために早稲田大学のキャンパスを訪れた。同年10月、韓国大法院(日本の最高裁判所に相当)が韓国人元徴用工賠償判決を確定し、韓日関係が最悪の状態に陥った時だった。石破氏としては2ヵ月前の自民党総裁選挙で安倍晋三元首相に敗れ、暗中模索していた時だった。
「元徴用工判決で冷え切っていた日韓関係をどのように管理するのか」、最前列の席で研究者の資格で質問を投げかけた。数秒間考えていた石破氏が口を開いた。
「判決は国際法的に間違っている。しかし、合法であっても独立国だった韓国を併合し、(朝鮮半島出身者の)名字を変えることが行われた。そういう歴史があったことをどれだけ認識するかだ」。
会場には冷ややかな空気が漂った。2時間にわたる講演と質疑応答のうち、この部分だけが翌日日本メディアに報道され、韓国にも伝えられた。
その日のエピソードを日本人に話すと、2つの反応がある。日本では誰も韓日関係を口にすることができなかった時にストレートに質問を投げかけたことへの驚きが1つ目の反応だ。自民党が「韓国叩き」に躍起になっていた時に、与党の有力政治家として韓国を知らなければならないと言ったことへの驚きが2つ目反応だ。「空気を読む」という表現があるほど、雰囲気の把握が重要な日本社会で、「空気を読まない」研究者と政治家の問答は、6年が経ち、新首相の韓国関連発言で再び注目されている。
自民党の保守強硬派が「嫌韓扇動競争」を繰り広げていたこの十数年間、石破氏は韓国を知ろうとした数少ない政治家だった。石破氏は、過去の講演で「もしも日本が他国に占領され、『今日から君はスミスさんだ』と言われたらどう思うか」と述べたという。「次世代に謝罪する宿命を背負わせない」(2015年の安倍談話)と加害責任に口を拭う安倍氏とは明らかに違う。
しかし、周囲の目を気にせず言いたいことを言う石破氏の就任後の第一声は「アジア版北大西洋条約機構(NATO)」の創設だ。「韓国叩き」に同調しなかった石破氏は、これまでのタブーも気にしない。東アジアへの関与に一定レベル以上を超えないようにする米国の目も、海洋進出を強化する中国の圧力も気にせず、言いたいことを言うという立場だ。核の持ち込みを公然と主張し、「核兵器は作らず、持たず、持ち込ませず」という60年間の「非核三原則」も捨てる構えだ。
4年7ヵ月間外相を務めた「外交の達人」岸田文雄首相と防衛政務職だけ3度務めた「防衛専門家」石破氏は違う。韓国にとってはより難しいカウンターパートだ。石破次期政権が過去に果敢に前向きな立場を取り、集団防衛体制への参加を提案したらどうなるだろうか。歴史問題は手を取り合い、「アジア版NATO」から手を引くという選択は可能だろうか。在韓米軍を駐留させる米国が受け入れるだろうか。
韓国はこれまでとは次元の違う挑戦に直面している。日本は、ウクライナと中東の2つの紛争で苦慮している米国に食い込み、「日米同盟を軸にしたアジアの集団安全保障体制の構築」を主張する政治家をリーダーに据えた。私たちには、眉をひそめるほどナイーブな対日認識の現政権と「中国にも『謝謝(感謝)』、台湾にも『謝謝』すればいい」という野党以外に選択肢がない。状況把握すらままならない政界を眺める国民の背には冷や汗が流れていることを韓国の政治家たちは知っているのだろうか。
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