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険悪な民心を伝えずに「我々は一つ」と叫んで終わった龍山の夕食会

険悪な民心を伝えずに「我々は一つ」と叫んで終わった龍山の夕食会

Posted October. 04, 2024 10:28,   

Updated October. 04, 2024 10:28

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が金建希(キム・ゴンヒ)夫人の特別検事法に対する拒否権を行使した2日夕方、与党「国民の力」の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)院内代表はじめ院内執行部と常任委員長、常任委幹事を招いて夕食会を開いた。同日の夕食会は、最近、同党の韓東勳(ハン・ドンフン)代表が出席した新執行部関係者との夕食会より45分長い2時間15分にわたって行われた。出席者らは「われわれは一つだ。みんなで一緒に」という掛け声をかけながら会合を締めくくった。

同日の夕食会は、第22代国会の最初の国政監査を控え、大統領が与党の院内執行部を励ますために用意した席だというのが大統領室の説明だ。とはいえ、大統領室が公開した夕食会の写真4枚と院内首席報道担当が伝えた夕食会の雰囲気で、支持率が下落傾向にある政権与党の危機意識や険悪な民心を懸念する緊張感は見当たらなかった。尹大統領は「一人ひとりが百人力の覚悟で生産的な国政監査」を求め、野党の国軍の日の市街行進の批判とチェコ原発ダンピング受注の攻勢に反論したという。また「医療改革は、必ず揺らぐことなく推進していかなければならない」と強調したという。

現政権の医療改革は、拙速な医学部増員の深刻な副作用で、世論が急激に悪化している分野だ。にもかかわらず、大統領が「揺るぎない改革」を約束する間、出席者たちが何の反論もしなかったとは驚くべきだ。大統領が拒否権を行使した特検法や金夫人のディオールバック授受疑惑の嫌疑なし処分などに関する言及もなかったという。金夫人の総選挙候補公認への介入疑惑に加えて大統領室の前行政官の党大会介入をめぐる議論まで連日起こっている。政局の最大の悪材料は抜きにして野党批判に声を一つにし、揺るぎない医療改革だけを強調したというから、民心がなぜ険悪になったのかには関心さえないというのか。

あいにく、同日の夕食会は4日、金夫人の特検法の国会本会議での再表決を控えて行われた。野党からは、「票を取り付けるための夕食会」という批判が出た。「院内中心」という形式を前面に出して韓代表を除いたのも、金夫人問題の解決法をめぐる見解の差が大きいためだという解釈だ。金夫人特検法の再採決について、秋院内代表は「否決が党方針」と述べた。韓代表は「否決が正しい」と言ったが、「特検法がもう一度渡されたらどうするか」という質問には、「あらかじめ話さない」と答えた。離脱票を引き付けるために「我々は一つ」を叫んで終わった中身のない晩餐が民心をどれだけ遠ざけるか分からないのか、それとも知らないふりをしているのか。