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「完璧なピアニスト」20歳のイム・ユンチャンが英グラモフォン賞2冠

「完璧なピアニスト」20歳のイム・ユンチャンが英グラモフォン賞2冠

Posted October. 04, 2024 10:29,   

Updated October. 04, 2024 10:29

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ピアニストのイム・ユンチャン氏(20)が2日夕方(現地時間)、英国ロンドンで開かれたグラモフォン・クラシック音楽賞(グラモフォン賞)授賞式で、ピアノ部門賞と「ヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」の2部門で受賞した。韓国人のピアニストがグラモフォン賞を受賞したのは初めてで、韓国人が同賞の2部門で同時受賞したのも初めて。

グラモフォン賞は、英国のクラシック音楽専門誌「グラモフォン」が1977年から毎年授賞しており、クラシックアルバム賞の中で最高権威の賞に挙げられる。現在、ピアノ、ピアノ以外の器楽、管弦楽、オペラなど11の部門で受賞者を発表している。

ピアノ部門の最終候補に上がった3つのアルバムのうち、イム氏は「ショパン練習曲集」アルバムで受賞し、この他にイム氏が演奏したリストの「超絶技巧練習曲集」も最終候補にノミネートされた。グラモフォン賞で一人のピアニストのアルバムが二つも最終候補にノミネートされたのもイム氏が初めて。ショパンの練習曲集は超絶技巧練習曲集を1票差でリードし、イム氏の2枚のアルバムが同部門上位2位となった。最終候補に上がったもう一枚は、フィオトル・アンデルシェフスキーが演奏した「バルトーク、ヤナーチェク、シマノフスキー:ピアノ作品集」だ。

歴代グラモフォン賞受賞者のうち、韓国人では1990年、鄭京和(チョン・ギョンファ)氏がレスピーギなどのバイオリンソナタアルバムで室内楽部門賞を受賞し、1993年にチャン・ヨンジュ氏(サラ・チャン)が「ヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」賞を受賞した。 1994年に鄭京和(チョン・ギョンファ)が「バルトーク・バイオリン協奏曲」アルバムで協奏曲部門賞で2度目のグラモフォン賞を受賞し、2003年にチャン・ハンナがプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲アルバムで協奏曲部門賞を受賞したことがある。

2日の授賞式でイム氏はリストの「ペトラルカ・ソネット104番」を演奏し、大きな喝采を浴びた。オンラインで公開されたピアノ部門賞審査評で評論家のロブ・コーエン氏は「イム・ユンチャンは自分だけの個性を持った演奏者だが、ポリーニの技巧やコルトの話しかけるようなトーンなど先輩たちが持つ最高の特徴を備えている。この曲の他の録音がもっと多くのものを与えることはできない」と絶賛した。「ヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」賞の審査評で評論家のティム・パリ氏は「イム・ユンチャンはテクニックだけでなく想像力と豊かなタッチ、それを表現する完璧な手段を備えたピアニスト」と評した。

授賞式後、イム氏は「両親の話し方から自分が目で見て感じて学んだすべてのことが自分の音楽に溶け込んでいる。私と私の音楽は周りの人々に大いに感謝しなければならない」と語った。

今年のグラモフォン賞の大賞格である「今年のアルバム賞」は、米バイオリニストのヒラリー・ハーンが演奏した「イザイ:6つの無伴奏ヴァイオリンソナタ」アルバムが受賞した。このアルバムはグラモフォン賞器楽部門賞も受賞した。

イム氏は12月17~22日に5回にわたって開かれるパーヴォ・ヤルヴィ指揮のドイチェ・カンマーフィルハーモニーオーケストラの来韓公演でショパンピアノ協奏曲2番を協演する予定だ。


ユ・ユンジョン文化専門記者 gustav@donga.com