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気候変動がもたらす尋常でない食糧危機

Posted October. 05, 2024 09:44,   

Updated October. 05, 2024 09:44

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春はリンゴの価格が高騰したが、秋になると白菜の価格が乱高下する。「金リンゴ」と「金白菜」は猛暑と大雨など、異常気候で作況が振るわないことに伴うものだ。高温にともなう生産量の減少で原材料価格が上がる「ヒートフレーション」(熱+インフレーション)は、私たちだけの現象ではない。地球が熱くなり、今年はオリーブとココアの生産量が激減して価格が高騰し、様々な食品に影響を与えている。

問題は今後、世界各地でさらに頻繁に気候変動による食糧生産量の減少現象が起きる可能性があるということだ。国連世界食糧計画(WFP)などが発刊した「2024年の世界食糧危機をめぐる報告書」によると、気候変動で2022年は12ヶ国の5700万人が、昨年は18ヶ国の7700万人が深刻な食糧不安に苦しめられた。

食料品の値上がりによる負担が大きくなっているが、オンライン・オフライン市場で食べ物を簡単に手に入れる現時点の韓国で、食糧危機を心配する声は実感がわかないかもしれない。しかし、多くの専門家は、早く対策を立てて実行しなければ、遠くない未来に、韓国は深刻な食糧危機国になると懸念する。

韓国の食糧自給率はの1970年の86.2%から2021年は44.4%に下がった。これさえも米のおかげだ。米を除けば、2021年基準の食糧の自給率は11.4%に過ぎない。2022年の韓国の食糧安保指数は、世界113ヵ国のうち39位、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中では最下位だった。

ソウル大学農業生命科学大学のナム・ジェチョル特任教授は、「6番目の大量絶滅シグナル、食糧戦争」という本で、今後も私たちが望む時はいつでも外国から食糧を安く輸入できるかどうか分からないので、解決策を模索しなければならないと強調した。

国連食糧農業機関(FAO)は、2050年までに食糧生産量が最大30%減少する可能性があり、これに伴い食糧価格は50%まで上昇する可能性があると見込んでいる。すでに主要各国は、食糧安保競争に突入している。中国は、農地の他の用途転換と食品ロスを防止する内容などを盛り込んだ「食糧安保保障法」の施行に入った。外信は、世界最大の農産物輸入国である中国が、同法を通じて海外食糧への依存度を下げ、自給自足の達成を目標にしていると伝えた。日本も先日、25年ぶりに食糧安保の強化に焦点を合わせた方向で農業基本法を改正した。日本のマスコミは、「国内生産の拡大を基本に、輸入国の多角化や食糧備蓄で食糧の安定的な供給を模索しようとした」と分析した。

韓国は年間需要量の約80%(1800万トン)を海外に依存する世界7位の穀物輸入国だ。国際食糧価格の上昇に脆弱にならざるを得ない。「食糧危機の大韓民国」の著者であるナム・ジェジャク韓国精密農業研究所長は、「食糧危機は、これ以上アフリカなどが体験する他の国の話ではなく、韓国が10年以内に体験することになる問題かもしれない」と話した。

気候変動に適応する新品種の開発、都市農業と垂直農法の拡大、余ったコメを活用した粉米の開発など、安定的な食糧供給のための代案づくりと実行が必要な時点だ。炭素排出量を減らすための皆の努力も切実だ。地球が燃え続ければ、近い将来、我々は国内産のリンゴや白菜を全く食べられないかもしれない。