北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が、「北朝鮮は核保有国」と主張し、「(韓米が)主権を侵害する武力使用を企てるなら、容赦なく核兵器を含む全ての攻撃力を使うだろう」とし、「ソウルと大韓民国の存続は不可能になるだろう」と述べた。正恩氏自ら「核強国の絶対的な力を不可逆的に確保した」と核放棄の意思がないことを明らかにし、韓国への核攻撃を示唆したのだ。米大統領選挙を33日後に控えた中、次期米政権と核保有国として核軍縮など核談判に臨むことを念頭に置いた発言とみられる。
4日、朝鮮中央通信など北朝鮮の官営メディアによると、正恩氏は2日、西部地区の朝鮮人民軍特殊作戦部隊の訓練基地を視察し、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)傀儡(かいらい)が核を保有している国の前で軍事力による圧倒的な対応を口にしたが、まともな人ではないとの疑念を抱かざるを得なかった」と非難した。正恩氏が尹大統領を名指しで非難したのは、2022年7月の戦勝記念日の演説以来だ。
正恩氏の今回の発言は、尹大統領が1日の「国軍の日」に行った演説で、北朝鮮が核兵器の使用を企てるなら、「その日が政権の終末の日になる」と述べたことに対するものだ。正恩氏は2022年7月の戦勝節69周年行事でも、「尹錫悦とその軍事ごろつき」と非難した。
正恩氏は、北朝鮮は「核保有国」「核強国」とし、核放棄不可の意思を重ねて明らかにした。韓国軍関係者は、「米大統領選を目前に控えた時に核威嚇のレベルを高め、緊張高揚の責任を韓米に転嫁することが狙い」と分析した。
尹相虎 ysh1005@donga.com