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オバマ、バイデン、ハリスの「シェールガス方程式」

オバマ、バイデン、ハリスの「シェールガス方程式」

Posted October. 09, 2024 10:51,   

Updated October. 09, 2024 10:51

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11月5日の米大統領選挙の勝敗は、主要な激戦州の中で最も多くの選挙人団(19人)がかかっているペンシルベニア州で決まる可能性が高い。ここは米50州のうち、天然ガス(シェールガスを含む)生産2位、石炭生産3位の化石エネルギーのメッカだ。FTIコンサルティングの最近の研究によると、州経済がガス産業から得る利益だけで400億ドル(約54兆ウォン)だという。

民主党は、ペンシルベニア州で1992年から2012年の大統領選まで6回すべて勝利したが、16年の大統領選でトランプ前大統領に0.7ポイント差で敗れた。4年後にはここで生まれたバイデン大統領が「出身地プレミアム」を前面に押し出して1.2ポイント差で辛勝した。現在、ハリス副大統領とトランプ氏も血戦を繰り広げている。

かつて民主党の票田だったペンシルバニア州が激戦州になったのは、水、砂、化学薬品などを混ぜた液体を高圧で噴射してシェールガスを抽出する水圧破砕法(フラッキング)をめぐる民主党政権の政策が一貫しなかったことと無関係ではない。

08年の世界金融危機直後に発足したオバマ政権は、内需を刺激し、中東の原油や天然ガスへの依存度を下げるために、シェールガス業界を全面的に支援した。「シェール革命」と言われるほど、各地でフラッキングブームが起こった。

しかし、フラッキングに伴う地下水や大気の汚染、地震を誘発する可能性などを懸念する声が高まった。近隣住民が片頭痛、鼻炎、疲労、喘息、流産などに苦しんでいるという報告も相次いで発表された。

「環境にやさしく」を標榜するバイデン氏は、政権に就くやいなや「連邦政府が保有する土地では、フラッキングなどすべての新規掘削を禁止する」と宣言した。米国のエネルギー掘削はほとんど民間所有の土地で行われている。エネルギー業界と環境団体の反発を同時に押さえようとする選択だったが、子供だましという批判を免れることはできなかった。

ハリス氏は、20年の民主党大統領候補予備選挙の時、「フラッキングを禁止する」と述べたが、今年8月29日のCNNのインタビューでは、「フラッキングを禁止しなくてもクリーンエネルギーを達成する方法がある。私の価値観は変わっていない」と発言を変えた。フラッキングを規制せずにどのようにクリーンエネルギーを実践するのか、変わっていない自身の価値観が何なのかが曖昧だ。多くの有権者が「発言の真正性が信じられない。典型的なすり替え」と批判している。

FTIコンサルティングによると、22年基準、フラッキング関連職に従事するペンシルベニア州民は12万1000人。彼らの年収は他の職種よりはるかに高い平均9万7000ドル(約1億3100万ウォン)だ。フラッキングを許可した土地所有者が得る金額は60億ドル、税収も32億ドルに達する。好むと好まざるとにかかわらず、フラッキングを禁止すれば、ペンシルバニア州の経済は大きな打撃を受ける。

2人の候補のうち、どちらがペンシルベニア州で勝つかは分からない。ただ、「再選時のエネルギー規制撤廃」を叫ぶトランプ氏に堂々と立ち向かうには、ハリス氏はこう言うべきだった。「副大統領として国政を運営してみると、多くの有権者の生計がかかっているフラッキングを度外視するわけにはいかなかった。なので立場を変えることは、『発言を変える』ことではなく『民生を守る』ことだ」。