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北朝鮮「対南遮断要塞化工事」、偶発的衝突に備えて万全の態勢を

北朝鮮「対南遮断要塞化工事」、偶発的衝突に備えて万全の態勢を

Posted October. 10, 2024 09:25,   

Updated October. 10, 2024 09:25

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北朝鮮は9日、韓国と接する国境の永久的な遮断・封鎖を宣言し、韓国とつながる道路と鉄道を完全に遮断し、堅固な防御用の構造物によって要塞化する工事を進めると明らかにした。北朝鮮軍総参謀部は、「わが共和国の主権行使の領域と大韓民国の領土を徹底して分離するための実質的な軍事的措置」と主張した。また、「誤解と偶発的な衝突を防止」するため、米軍側に通知したと付け加えた。ただし、9日、休戦線の北朝鮮側地域で特に工事の動きは確認されなかった。

北朝鮮軍の国境遮断宣言は、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の「敵対的二国家」宣言による南北間の断絶措置を物理的に可視化する狙いがあるものとみられる。北朝鮮はすでに今年初めから京義(キョンウィ)線・東海(トンへ)線道路に地雷を埋設し、鉄道を撤去したほか、非武装地帯(DMZ)に対戦車障害物と推定される障壁を設置してきた。今回の宣言は、これまで特に発表せずに行ってきた対南分離・防壁化作業を公式化し、このような要塞化作業をさらに強化するということだ。

北朝鮮は「二国家への徹底した分離」を掲げているが、対外メッセージでは曖昧な信号も捉えられている。今回、韓国側については「大韓民国の領土」としながらも、北朝鮮側については「わが共和国の主権行使領域」と呼び、まだ領土概念が整理されていないことを示唆した。北朝鮮は7~8日に最高人民会議を開き、憲法の一部を改正したと発表したが、当初予告した統一概念の削除や領土条項の新設については言及していない。急激な路線転換が順調ではないのかもしれない。

正恩氏も最近、巧妙な二重的メッセージを相次いで送っている。正恩氏は7日の演説で、韓国への核兵器使用を警告しながら、「我々は大韓民国を攻撃する意思が全くない」「以前の南側の解放、武力統一という言葉には今は関心がない」と述べた。韓国の強力な核対応の勢いを和らげようとしているような態度だ。それが抑止力に自信を持って余裕を見せる核保有国の振る舞いなのか、それとも韓米の核抑止力の強化に対する警戒心なのかはまだ分からない。

北朝鮮は今後、要塞化工事を拡大したり当該地域に軍隊を駐留させたりするなど、より攻撃的な作戦を展開し、軍事的緊張を高める可能性が高い。今回、北朝鮮軍は誤った判断による偶発的な衝突防止を掲げ、米軍側に事前通知する形式をとった。今後、休戦線付近の緊張の誘発、さらには偶発的な衝突を装った挑発の責任も韓国に転嫁するつもりだろう。韓国軍が万全の準備態勢とともに、冷静な危機管理能力を示さなければならない時だ。