与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の妻の金建希(キム・ゴンヒ)氏に対する国民の懸念を払拭するために「大統領室の人的刷新が必要だ」と述べた。与党関係者は13日、「『金建希ライン』を念頭においたもの」とし、「金氏は選出された権力でなく、公的権限もない。『金建希ライン』は存在してはならない存在だ」と述べた。10月16日の再・補欠選挙の直後に尹大統領との単独面談を行う韓氏が、最近、金氏の公開行動の自粛要請、金氏のドイツ車輸入販売会社「ドイツ・モーターズ」の株価操作関与疑惑に対する事実上の起訴要求に続き、「『金建希ライン』の人的刷新」まで取り上げ、大統領室の変化を求めたのだ。これに対し大統領室は、「言うべきことはない」とコメントを控えた。
韓氏は12日、釜山市(プサンシ)の金井(クムジョン)区長補欠選挙の現場で、「金氏に『秘線(非公式のライン)』があるという疑惑もあり、大統領室の人的刷新が必要ではないかという指摘がある」という質問に、「大統領室の人的刷新が、政府と与党が民心に従って刷新し、変化し、改革する重要な出発点になるだろう」と答えた。韓氏は、様々なルートで「金建希ライン」と関連して大統領室に問題提起をしたという。与党関係者は、「国民も『金建希ライン』があると信じており、野党の攻勢も激しい」とし、「大統領室が党代表の意見を聞き入れて刷新しなければ、新たな出発点を築くことはできない」と話した。
複数の与党関係者によると、韓氏が念頭に置いた「金建希ライン」は、現職の大統領室所属のL秘書官やC秘書官、K秘書官、K選任行政官、H行政官、K行政官、K前秘書官だという。金垈南(キム・デナム)前大統領室行政官は、最近公開された録音ファイルで、一部「金建希ライン」を取り上げ、「龍山には十常侍(朴槿恵政権の実勢10人衆を指す言葉)のような人が何人かいる」とも述べた。党指導部関係者は、「国政壟断事件の時、崔順実(チェ・スンシル)氏は肩書きなく動いた秘線だった」とし、「俗称『7人の諫臣』と呼ばれる『金建希ライン』は、金氏を通じて業務範囲を超えた不適切な政治行為をし、秘線のように動いている」と述べた。彼らが金氏に誤った意見を伝え、これが人事、政策など一部の国政に反映されて問題が発生するという見方だ。
韓氏が連日、金氏問題を取り上げたのは、尹大統領との単独面談を控え、再・補選局面であらわれた民心と党内の危機感を明確にするためという見方もある。再・補選直後に予定されている単独面談は、まだ日程が確定していない。
大統領室は、韓氏の発言に対して公式の反応を示さなかった。金垈南氏が「十常侍」発言について自ら荒唐無稽な失言と言っているので、対応しないという立場だ。
チョ・グォンヒョン記者 ファン・ヒョンジュン記者 buzz@donga.com