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年末のクリスマスケーキ特需消えるか、欧州で卵と砂糖に続きバター価格も高騰

年末のクリスマスケーキ特需消えるか、欧州で卵と砂糖に続きバター価格も高騰

Posted October. 16, 2024 07:48,   

Updated October. 16, 2024 07:48

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クリスマスを約2ヵ月後に控えて、卵と砂糖に続きバターの価格まで高騰し、欧州の製パン業界では「クリスマスケーキの特需が消えるかもしれない」という予測が出ている。少数の大手の食品企業が、クリスマスケーキの生産に必要なバターを攻撃的に確保し、小規模パン屋と製パン業者の「バター確保」が難しくなっているという。

14日(現地時間)、ロイター通信によると、先月29日基準で欧州連合(EU)内のバター価格は、前年同期比83%も値上がりした。バター1トン当たり=8706ドル(約1187万ウォン)で、欧州で史上最も高いバター価格だった。ヨーロッパの大半の国では、11月から様々なクリスマス行事が開かれ、この時から年末までクリスマスケーキの需要も爆発的に増える。

フランス製パン・製菓連合(FEB)のポール・ボワバン理事は、「食品業界の大企業は、クリスマスケーキの生産に必要なバターを用意したが、小規模製パン業者はそうではない」とし、「製パン業界で、バター価格の高騰による懸念が大きくなっている」と話した。

バター価格の上昇傾向は、欧州以外の地域でも現れている。今夏に記録した最高値よりはやや下がっているが、オーストラリアとニュージーランドのバター価格も、前年同期より高い。今月、米農務省もバター1ポンド(0.45キロ)当たりの予想価格を、昨年より15%高の3ドルに上方修正した。

専門家たちは、バターに対する需要は着実な反面、牛乳生産が減ったことを価格上昇の原因として挙げている。ウクライナ戦争後、エネルギーと飼料価格が高騰しているうえ、泣き面に蜂で干ばつや洪水のような異常気象現象が頻繁になり、酪農業界が大きな被害を受けたためだ。酪農業界では、コスト削減のため、ここ数年間、乳牛の数を減らし続けてきた。

乳加工業者が、バターより収益性の良いチーズなど他の加工食品の生産に力を入れているのも、バター不足現象の原因に挙げられる。EUの資料によると、今夏基準でEUで生産されたチーズは、昨年同期比3.2%増えたが、バターは1.6%減少した。

ニュージーランドのANZ銀行のアナリスト、スーザン・キルスビー氏は「高いバター価格を安定化させるためには、農家が牛乳の生産量を増やさなければならない」とし、「意味ある価格の下落が現れるまでは、数ヵ月間がさらにかかる可能性がある」と見込んだ。


イ・チョンア記者 clearlee@donga.com