現職の警察が、警察署内に押収物として保管されていた現金約3億ウォンを横領した容疑で逮捕された。最近相次ぐ警察の不正と関連して、対策が必要だという指摘が出ている。
16日、ソウル江南(カンナム)警察署は、江南署捜査課所属のA警長を14日、事務所で緊急逮捕したと明らかにした。押収物管理業務を担当するA警長は、闇賭博場などで押収した現金を数回にわたって横領した容疑が持たれている。警察によると、A警長が横領した現金は3億ウォンに達するという。
警察は最近、押収物の現状について調べていたところ、実際に保管されていた現金と帳簿上の金額が合わない点を不審に思い、追跡に乗り出した。警察は逮捕翌日(15日)、A警長の職位を解除した。警察の関係者は、「具体的な犯行経緯は確認している」と明らかにした。
捜査中に確保した押収物を警察が横領した事例は、以前にもあった。今年5月、全羅南道(チョルラナムド)警察庁は、賭博場から押収した3400万ウォン相当の現金を14回にわたって横領し、自分の借金返済に使った莞島(ワンド)警察署所属のB警部補を罷免した。彼は強盗致傷の被疑者から還収した90万ウォンを、被害者に返さなかった容疑も持たれている。先月、ソウル鍾路(チョンノ)警察署は、情報課に勤めながら、自分の口座に公金1億ウォンほどを数回振り込んだC警部補を立件した後、待機発令の措置を取った。
国会行政安全委員会所属の最大野党「共に民主党」の朴貞炫(パク・ジョンヒョン)議員室が、警察庁から提出を受けた資料によると、今年1~9月の警察官の処分件数は349件で、最高水位である罷免は25件だった。罷免は、2019年は22件、2020年は25件、2021年は15件、2022年は16件、2023年は17件だった。金品授受と公金横領などの金品不正を犯した公務員に対し、不正金額の最大5倍を払わせる「処分付加金」を課したのは計24件で、付加金は8億2429万ウォンだった。最も高い金額が課せられた事例は3億ウォンだった。
イ・チェワン記者 chaewani@donga.com